昨日の雪が降り出す前の少し晴れ間の見えた朝、本当に久しぶりに金沢市の南部を取り巻く丘陵を訪ねました。山里は冬支度を整え里の人々は雪がところどころにあるものの、予想外の好天に間もなく根雪を迎える前の家周りの整理に精出していました。
林道もすでに積雪で閉じられたところが多くなったものの集落をつなぐ道はキチンと除雪がされていてクルマで通行することが出来ました。雑木林の木々はすでに葉も落ち柿などの実も雪の上に落ちて林に棲む生き物たちの貴重な食料となっているようです。
木々が裸木となって見晴らしのよくなった谷間の林にニホンカモシカの姿を見ることが出来ました。冬を迎えるための脂肪をたっぷりと身体に貯えた大人のカモシカです。
ここ金沢市南部丘陵は熊やイノシシ、時には猿等の大型獣が生息する地域ですがかつて絶滅さえ心配されていたニッホンカモシカもよく姿を見せます。ニホンカモシカは比較的近くまで人の近づくことを許してくれるので被写体としてはとても魅力的な存在です。
この地域は絶滅危惧種となっているオオタカをはじめとする猛禽類の姿も見ることの出来る多様な生物が生息する環境を地域の人たちが大切にしている私の大好きな山里です。総選挙の争点ともなったTPPは、これらかけがえの無い自然の環境にとっても大変な問題です。この問題での農協を先頭にしての農家の取り組みがさらに進むことをこの動物達のためにも望んでいます。
今朝からの雪で山里はスッポリと雪に包まれて春までの長い季節は人の入り込まない獣たちの世界になります。