ダニー・オーシャンに同じ才能に恵まれた妹がいた。妹オーシャンが刑務所の中で考えていたのは、兄オーシャンが挑戦した金庫破りではない。
狙うのは、毎年5月の第一月曜日の夜、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されるチャリティイベント、メットガラ。
セレブがその首元に付ける時価150億円のダイヤモンドネックレス。
セレブ、メットガラ、ダイヤモンドと来れば？
仮釈放後、妹オーシャンが相棒に声をかけ、ファッションデザイナー、宝石職人、盗品売買のエキスパート、天才ハッカー、スリ等、ダイヤ強奪作戦に必要な面々を次々リクルートして行くスピード感。
各々のスキルを生かした下準備と、やがて訪れる作戦実行当夜。
防犯カメラの死角を狙った強奪の瞬間のスリル&サスペンス。
ターゲットにされたセレブの意外な行動と、ラストに用意されたリッチな+α。
起承転結の明確さが命とも言える作品全体の仕様は、前シリーズを踏襲してはいる。
老舗宝石工房、カルティエが映画のために制作した重量感たっぷりのダイヤネックレス。
アルベルタ・フェレッティのシースルードレスで登場する妹オーシャン。
エメラルドが縫い込まれたジバンシィのジャンプスーツで現れる相棒。
ヴァレンチノのホットピンクのドレスを纏うセレブ。
華麗なキャットウォークも、期待に違わぬ仕上がり。
サプライズは、ハイブランドを身に付けたオスカー女優たちを尻目に、小高いドレッドヘアーにニットキャップというストリートファッションをヒッピーに着こなして場をさらうハッカーが、誰よりもファッショニスタだったこと。
そして、念入りなメイクとコスチュームで感情を押し隠し、目的のためなら平気で相手を欺く女たちの方が、実は男より泥棒映画向き。
本家オーシャンズと同時進行の物語で、現場でばったり出会う...そんな映画でも面白かったかも。