礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

坂東妻三郎、一世一代の好演(映画『無法松の一生』)

2013-07-08 06:01:40 | 日記

◎坂東妻三郎、一世一代の好演(映画『無法松の一生』)

 アテネ文庫(弘文堂)『映画作品辞典』からの紹介を続ける。本日は、「無法松の一生」の項を紹介する。

 無法松の一生(日.大映.1943) 日露戦争の頃,無法松とあだ名される車夫の松五郎(坂東妻三郎〈バンドウ・ツマサブロウ〉)が,ふとしたきつかけで近づきになつた軍人の未亡人(園井恵子)に寄せる思慕の情をひとりひそかに胸にたたみ,雪の中に姿を消す.岩下俊作の原作から病篤き〈ヤマイアツキ〉伊丹万作が脚色,稲垣浩の見事な演出に加えて,坂妻〈バンツマ〉また剣戟スターの看板をかなぐり捨て,一世一代の好演を示し,戦時中珍しくペシミズムの色濃い傑作となつたが,当時の検閲は軍人の妻としての尊厳を傷つけるものとして,ズタズタに削除し,戦後漸くその全貌が公開された.

 なお、本年二月二五日のコラム「映画『無法松の一生』(1943)と女優・園井恵子」も、併せて参照いただければさいわいである。

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