◎それからご飯だ、ああうれし(高村光太郎)
奥田良三・宮田東峰共編『われらの歌 国民愛唱歌集 第三巻』(新興音楽出版社、一九四二年七月)を紹介している。本日は、その二回目。本日は、同書の中から、高村光太郎作詞・箕作秋吉作曲の「こどもの報告」という歌を紹介してみたい。
こどもの報告 高 村 光 太 郎
一 めがさめる、とびおきる。
晴れても降つても、一二三。
朝のつめたい水のきよさよ。
こころも、からだも、はつらつ。
お父さまお早うございます。
お母さまお早うございます。
みんなもお早う。
かしこきあたりを直立遥拝。
それからご飯だ、ああうれし。
かうしてぼくらのその日がはじまる。
その日がはじまる。
二 日がくれる、戸をしめる。
勝つても負けても、ジヤンケンポン
夜のたのしいうちのまとゐよ。
こころも、からだも、のびのび。
お父さまおやすみなさいませ。
お母さまおやすみなさいませ。
みんなもおやすみ。
お国のまもりへ直立敬礼。
それからお寝まき、ああらくだ。
かうしてぼくらのその日がをはるよ。
その日がをはるよ。
二番の「まとゐ」は「円居」、団欒の意味である。「まどゐ」とも言う。
なお、明日以降、このほかの歌詞も紹介する予定ですが、昨日の「目次」をご覧になって、「この歌の歌詞を知りたい」などと思われた方がいらっしゃいましたら、コメント欄を使って、その旨をお知らせください。優先的に紹介します。