◎OCRソフトで表示された珍しい漢字10
文書をスキャンし、OCRソフトで処理すると、読みとりミスによって、見たこともないような漢字が表示されることがある(私が使っているOCRソフトは、たぶん、中国製である)。
このブログでは、そういった漢字について、これまでも何度となく紹介してきたが、本日もまた、それらを紹介してみたい。
部首、韻、音読み、訓読み等は、後藤光憲編『活版鮮明 広益新撰玉編』(鐘美堂、一九〇五)に従った。【 】内に示したのは、栄田猛猪ほか編『大字典』(講談社、一九六五)における説明と漢字番号(漢字番号がない場合はページ数)。それぞれの辞書に該当する文字がない場合は、「なし」と記した。
弋 弋零画 職入 ヨク・ヨク くひ・くひぜ・いぐるみ・くろし
【標識として立つるクヒのこと・3032】
愎 心九画 職入 ヒョク・ビキ みだる・もとる・おごる・たがふ
【剛戻自ら用ひ他の言を顧みざること・3403】
狠 犬六画 刪平 ガン・ゲン いぬ・せりあふ 【犬の齧合ふ声・7143】
羧 なし 【なし】
瘓 疒九画 旱上 タン・タン やむ 【なし】
諝 言九画 語上 シヨ・ソ さとし 【才智ノ称・11064】
酞 なし 【なし】
鋅 なし 【シン 亜鉛・2306頁】
韉 革十七画 先平 セン・セン 鞍韉ハしたぐら 【鞍の下じきの革・13230】
麄 鹿四画 眞上 ソ・ソ 俗麤 【麤の俗字・14630】
明治期の字書になく、大正期に編纂された『大字典』にもない漢字が、OCRソフトに入っていることに驚き、そういった字が、グーブログでやすやすと表示されることにも驚く。