晴耕雨読なくらし

じねんじょに夢をかけるおじさんの物語

下山の時代

2012-01-20 08:45:04 | 人生
不条理と正義が混在し時にはどちらにも足を染めながら生きざるをえない現代社会だが
共感する言葉や本に出会うとうれしくなる

この頃、めったに本屋に顔すら出さなくなったが
訪ねた店が売り切れのため二軒目でやっと見つけた本がこれです
<下山の思想 :五木寛之著 :幻冬舎新書777円>



人生の登山と下山は誰もがわきまえ、ほとんどの人が「無事に帰宅」します
厄介なのは政治・経済など国のありかたです

敗戦のどん底からのぼるだけ登り世界2位まで登りつめた日本経済だが
中国に抜かれた後はあらゆる指標で世界の二流国になろうとしている
そこに震災や原発の事故が追い打ちをかけて操縦不能状態が日本国です

そんな現実にこの本はそろそろ考え方を変えて
登ることへの未練をたちきり足元を見ながら登りとは違う景色を見なさいと諭す

全く同感です
庶民の多くは同じ思いであろうが政治家や経営者はあきらめがつかないでしょう
だが無理して失う大きさより今ある体力で下山することに気づいて欲しい
そして社会を動かしているのは一部の指導者でなく圧倒的多数の私たちだよとも言っている

五木寛之という作家はこの頃、哲学者の域にある
中日新聞で2年間に渡って連載された親鸞は毎日読んだ
宗教を偶像化させるのでなく等身大の仏の伝道者を描きました
毎夜聞いているラジオ深夜便に月一登場する全国うためぐりも楽しい

人生でも視点を変えることで生き方に変化をもたらすことができます
そんなヒントを与えてくれる本や言葉にもっとめぐり合いたいものです

コメント
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