円形脱毛症になりました。
2,3週前に妻に「あれ、ここ円形脱毛症になってるよ」と言われたのが最初。
発見された当初はまだ産毛が残っていたそうですが、今は産毛も減っているようです。
頭頂部のやや左側で単純に鏡を正面視するだけでははっきりわかりません。
(散髪のときに合わせ鏡で見せてもらうとよく見えました。)
最初は上手く場所も探り当てられませんでしたが、今ではピンポイントに触って確認できるようになりました。
1×1.5cm程度つるつるしているところがあります。
あまり自分が禿げることを心配していなかったこともあり、最初宣告されたときはちょっと面食らいました。
ショックというほどではありませんが、少し悲しいのは確かですね。
正直詳しく知らないことなので、少し調べてみました。
読んでみたのは、「日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン」(2017年度版)
末端の一臨床医にとってガイドラインは何よりも頼りになる頼もしい存在です。
ネット上で読めるのでざっと目を通してみました。
へえーそうなんだ、と思うことが色々書いてありました。
まず、発症年齢は平均33歳なんだそうです。
若者の病気というイメージだったけど、そうでもないんですね。
性差もないんだとか。十代の男に多いイメージでした。
原因はストレスとよく言われるけれど、「発症と精神的ストレスとの直接の関連性についての科学的根拠は乏しい」と明記されています。
トルコの大震災の前後で発症率に差が見られなかったんだとか。そういわれると説得力がありますね。
むしろ病態は自己免疫性疾患であり、アトピー素因のある人での発症率が高いのは間違いないそうです。
ふむふむ。
そしてやはり気になるのは治るかどうかということ。
軽症なものであれば1年以内に80%で毛髪が回復するそうです。
今のところは軽症に分類されるので、進行しないことを願うばかり。
治療についてはいろいろ書かれてありますが、エビデンスレベルはBまたはC。
絶対的な治療というのはないということですね。
自分が使い慣れている薬という観点ではステロイド外用薬塗布と第2世代抗ヒスタミン薬の内服がよさそうかなと感じました。
それ以外の治療は自分が受けたいと思うほどではありませんでした。
不思議なのは局所免疫療法という炎症を惹起する治療に一定の効果があるとしているのに、
対照的な炎症を抑える治療であるステロイド外用薬が推奨されていること。
そして外用薬にとどまらず内服、あまつさえ大量のステロイド点滴であるパルス療法まで治療として示されていること。
炎症を起こす治療と炎症を抑える治療と療法効果があるってどうなんだろう。
そもそも重症であろうと基本的に死ぬことはないこの疾患に対し、
重大な副作用が起こりうるステロイドパルスがレベルCで推奨されることもあるというのは驚くばかりです。
…まあ色んな価値基準がありますよね。
このガイドラインで何より面白かったのは、一番最後に「治療せずに様子を見る」と言うのがレベルCで推奨されれていること。
患者視点としては医者に経過観察しましょうと言われたら嫌です。笑
新型コロナ対策に関してさんざん耳にした「正しく恐れる」という言葉。
上滑りしているように聞こえることも多いですが、どういう病気にあってもそれは大切なことだろうなと思います。
実践が難しいのは間違いありませんけどね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます