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2022.2.19 「466m標高点」  『鬼首山』西尾根リタイア

 今朝Hiromiを迎えに行き、

夕張に向かった。

今回は『鬼首山』(641m)を、

西側から登る予定だった。

通常は東側の夕張市沼の沢から登る。

それを昨秋初めて西側から、

藪漕ぎで登ってみた。

(その時の記録)

するとなかなか面白い尾根なので、

積雪期にも登ってみたいと考えた。

もちろん初めてのHiromiにも、

西尾根を伝って登らせてやりたかった。

 今朝夕張市滝ノ上から、

「草木舞林道」に入った。

最近ここを通るときに、

いつもこの林道入り口を眺め、

除雪されていることを知っていた。

今朝林道に入った時も、

新雪はいくらか積もっているものの、

きっちり除雪されていた。

林道ゲートの500mほど手前に、

車を駐車できるスペースがあった。

そこで準備をしていると、

タイヤショベルがやってきた。

それで運転手にじゃまにならないか尋ねてみた。

すると問題ないとのことでホッとした。

タイヤショベルが奥に向かって行くと、

次にダブルキャブのトラックがやってきて、

やはり奥へと入って行った。

なにか工事でもしているのか?

 8時30分、スノーシューを背負って、

除雪された林道をスタート。

500mほどで施錠されたゲートに着いた。

そしてそこに貼ってあったものを目にしてハッとした。

「立ち入り禁止」!

理由は林道内でエゾシカの捕獲をしているので危険、

とのことだった。

しかしもう歩き出してしまったし・・・

そのまま進んで行くと、

間もなく先ほどのタイヤショベルが、

行ったり来たりして、

林道の除雪をしている様子。

そしてその後ろにダブルキャブのトラックが止まっていた。

林道歩きはここまでと判断し、

スノーシューを装着して、

横を流れる「草木舞沢川」の河岸を歩くことにした。

するとトラックからオレンジ色のベストに、

同じくオレンジのヘルメットを装着した男性二人が降りてきた。

そしてどこへ行くのかを尋ねられ、

山登りだと説明すると、

ゲートに貼り紙をしたように、

この林道は立ち入り禁止だと言われた。

しかしこれ以上林道は歩かず、

山に向かう旨を伝えて納得してもらった。

結局その男性二人はエゾシカに給餌をし、

おびき寄せたエゾシカを、

くくり罠や銃で捕獲する役目だった。

「捕獲」と言うと聞こえはいいが、

「駆除」するということだろう。

 「草木舞沢川」に沿って、

渡渉を繰り返しながら進んで行く。

そして小尾根を登り上部林道に当てた。

すると先ほどの除雪はその地点までで、

そこからトラックとともに引き返していた。

踏み跡のない林道を、

Hiromiが快調に歩を進めていく。

駐車地から約3km歩いて、

左手の斜面に取り付いた。

ここから一気に150mの急登だ。

それが大変だった。

まだ厳冬期2月の雪は柔らかく、

雪崩を避けて入った樹林は、

スノーシューを深く飲み込み、

表面がクラストした斜面に逃げると、

モナカでサラサラの雪がスノーシュー登行を阻む。

そんな状況の中、

Hiromiはと言えば、

雪面に軽いトレースを残してスタスタ登って行く。

こちらは一歩上がるのも、

グサグサ、ズルズルだというのに!

私の体重は80kgほど。

Hiromiより30kg以上重い。

体重が重いというのは、

そんなに罪なことか?

と嘆かずにはいられない。

ようやくHiromiが待つ尾根上に上がった時には、

Hiromiの体が冷え、

私は荒い呼吸を繰り返してヘロヘロ。

Hiromiもそうとう苦しそうに見えたのだろう。

「ここで引き返してもいいよ」

それでも先に進もうとして地形図を確認すると、

ちょうど地形図に記された「466m標高点」だった。

それで気が抜けた。

「よし、ここで終わりにするべぇ」

11時45分、「466m標高点」。

次回もっと雪が締まった頃に再挑戦することとした。

簡単な昼食を摂って下山開始。

 林道に下って「草木舞沢川」の河岸を歩いていると、

トドマツの幹におびただしい数の、

ヒグマの爪痕が残っていた。

その数から考えると影の濃い地域だ。

そして林道にはあちこちに、

エゾシカのものと思われる血痕が残っていた。

山中で銃声がすることはなかったので、

今朝出会った二人がくくり罠で仕留めたものだろう。

「それにしても、仕留めるときは何を使うんだろう?」

とつぶやいた私にHiromiが、

「やっぱりノコギリを使うんじゃない?」

おいっ、暴れまわるシカをノコギリで引くのかよ!?

 13時05分、駐車地。

今日もHiromiは「面白かった」と言う。

なんでも面白くていいねえ!

しかしお前の存在そのものが一番面白いぜ!

 

 

 

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