アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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派遣村バッシングに反論する

2009年01月08日 13時23分49秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
派遣村「本当に真面目に働く人たちか」 総務政務官、派遣村に苦言


年越し派遣村・ボランティアの声 2008年12月31日


 この年末年始にかけて、東京の日比谷公園で開催された「年越し派遣村」の取り組みに対して、数多くのボランティアの方が支援にかけつけて下さいました。また、このごく僅かな開催期間のうちにも、2千万円以上のカンパが全国から寄せられました。この動きを見るにつけても、「まだまだ日本も捨てたものではないな」という思いを強く感じました。
 ところがその一方で、この「派遣村」の取り組みを貶める様な発言を総務政務官が行い、「2ちゃんねる」の一部などにも同種の書き込みが、往時のネットウヨク華やかなりし頃ほどではないにしても、依然として散見されます。

 そんな、ゴミの様な書き込みの内容なぞ、一々調べるには及びません。それらの書き込みは、どれもこれもワンパターンの内容ですから。興味のある方は「2ちゃんねる」などで検索してみて下さい。上記ユーチューブのコメント欄にも同種の書き込みがされていますので、それを見れば、奴らがどんな事を書いているか、凡その事は分かります。
 そんな低レベルな書き込みに、逐一反論していても時間の無駄ですので、ここでは一々取り上げませんが、それでも最低限度の反論は必要と考えますので、それをここに書いておきます。

★「あれはプロ市民によるヤラセだ」:

 これは人の命に関わる問題なので、「派遣村」のスタッフも、一人でも多くの方に来てもらおうと呼びかけたのでしょう。それを言うに事欠いて「ホームレスを動員してのヤラセ」呼ばわりとは。物は言い様で何とでも言えますが、言えば言うほど、逆に自分たちの性根の嫌らしさが白日の下に晒される事にも、気付かないのでしょうか。

★「やれ食糧よこせだの医薬品よこせだの、自分たちは一体何様だと思っているのか」:

 人の生き死にがかかっているのだから当然でしょう。だから、厚生労働省も講堂の開放に踏み切らざるを得なかったのだし、野党の党首クラスや与党の公明党議員まで、現地に詰め掛けざるを得なかったのでしょう。公明党の議員については、当然の事ながら、自民党の悪政を支え続けてきた確信犯として、派遣村の村民から思いっきり罵声を浴びせられていたそうですが。

★「大変だと思うのなら、政府や経営者を偉そうに批判する前に、野党や反貧困のメンバーが事務所を開放しろ」:

 そう言うのなら、まずそう言っている本人が何かしろ。私もそうですが、この世の中、年末年始でも普段以上に働いている人も少なくないのです。そういう人にとっては、ボランティアしようにも、やる時間も金も気力も無い場合が多いのです。そもそも、貧困対策なんて、本来政治が解決すべき問題です。それが政府の無為無策の所為で、ここまで状況が酷くなったのではないでしょうか。それを、兎にも角にも何とかしようと動いている人に対して、何もしない人がとやかく言う資格なぞありません。

★「あれは共産党(野党、サヨク)の選挙対策だ」:

 そのたかが「選挙対策」の為に、何故短時日に1千人以上のボランティアが集まったのでしょうか。それも党員・活動家や労組員だけではありません。また、政党や労組にしても、票にならない非正規労働者やホームレスの為に、何故、日頃の立場や所属上部団体の違いを超えて、連合も全労連・全労協も、その他の多くの労組・市民団体も、政党も民主党・共産党・社民党だけでなく、公明党までやってきたのでしょうか。それは、こと人の生き死にに関する事では、右だの左だのと言っては居られないからでしょう。また、「これは決して他人事なんかではなく、自分自身の問題でもある」と、多くの人が考えるに至ったからでしょう。
 事実、反貧困の運動には、首都系青年ユニオンも運輸一般連帯労組も、自治労連も解同も、何らかの形で加わっています。それがどれほどの広がりを持つものかは、多少でも政治的知識がある人ならお分かりでしょう。
 当然、その中には共産党員の方も多数居られるでしょう。それだけの事です。戦前の治安維持法の時代じゃあるまいし、何でもアカやコミンテルンの所為にすればそれで済むと思ったら大間違いです。

★「平日に集会やデモなどしている暇があったら職探しでもしろ」:

 今や、有効求人倍率が全国平均で8割、地方に行けば3~4割になろうというご時世です。探したってまともな働き口がある訳でなし、あってもまたいつ首切られるか分からない派遣や、しんどいだけでとても食べていけない低賃金労働しかないのが現状です。それに加え、この年末年始は12月27日(土)から1月4日(日)まで9日間も役所(ハローワーク)が休みと、例年以上に大変な状況なのです。面接に行く交通費にも事欠く状態に対しても、集会やデモ一つしない方が、寧ろよっぽど異常です。

★「悪いのは派遣会社であって、派遣先や政府を糾弾するのは筋違いだ」:

 派遣会社が悪いのは当然です。問題は、それが一人派遣会社だけに止まらず、派遣先大企業や日本政府・財界、米国など先進国の政府・多国籍企業、IMFやWTOなどの国際金融機関も、全部グルだと言う事です。
 自分たちの金儲けの事しか考えない国際金融資本と多国籍企業が、より低賃金で劣悪な労働条件を世界の人民に押し付け、その意を呈した日米などの先進国の政府と財界が、「構造改革」と称して労働法制の規制緩和を推し進めたのです。派遣先大企業は、そうして労働者をモノの様に扱う事でぼろ儲けし、派遣会社は労働者から賃金をピンハネしバカ高い寮費をぼったくる事で、同様にぼろ儲けしてきたのです。それら全てが、寄って集って労働者を食い物にしてきたのです。
 ※左図はしんぶん赤旗1/10日付より
 そうして、金持ちが私利私欲に耽り、より下の者を搾取する事しか考えないで来た結果、世界経済全体が冷え込んでどうにもならなくなったのが、サブプライム問題に端を発した米国発の国際金融危機ではないですか。何の事は無い、今回の「派遣切り」の事態をもたらした世界恐慌も、元はと言えば全て、これら国際金融資本・多国籍企業・先進国政府・財界・派遣先大企業・派遣会社の仕出かした不始末の結果なのです。その一番のしわ寄せを派遣や非正規雇用の人たちに押し付けといて、よくもそんな事が言えたものだ。

★「そうは言っても、派遣社員はドジでノロマでグータラで・・・」云々かんぬん:

 要するに「正社員になれない奴が悪い、自己責任だ」と言いたいのでしょうね。そういう人は、壱花花さんの動画を再度見る事をお勧めします。或いは、「名ばかり管理職」でずっと只働き長時間労働を強いられてきた日本マクドナルドの社員や、過労死するまで働かされた挙句にトヨタに殺されて夫を亡くした内野博子さんから、お話を伺うのも良いかも知れません。
 もっと言うと、これは日本国内だけに止まる問題でもないのです。一例を挙げると、一杯100円の自販機コーヒーの価格のうちの、エチオピア農民の取り分は僅か1%程度です。それを見て「ああ安くていいな」なんて思っていると、そのうち自分たち正社員もどんどんリストラされ、低賃金の非正規雇用に落し込められて、昼飯もまともに食べれなくなり、その一杯のコーヒーで空腹を満たすしかなくなるのです。
 そうやって「下見て暮らせ」何とやらで、自分で自分を慰めてそれで満足しているうちに、最後にはそれすら適わなくなります。残る選択肢はただ一つ、「万国の労働者・被抑圧民族団結せよ」、これしかありません。それを具体的にどう実現していくかは、日本と世界の人民の闘いで、一歩一歩切り開いていくしかありません。
 ただ、少なくとも「日本人の職を奪う在日外国人を、地域から追い出せばそれで済む」という、単純な問題でない事だけは確かです。資本家にとっては、労働者が日本人であろうと外国人であろうと、そんな事は二の次であって、自由に使い捨ての出来る奴隷でありさえすれば、それで良いのですから。願わくば、正社員だ非正規だとか、日本人だ外国人だと言い合って、その奴隷同士が互いに足の引っ張り合いに興じてくれておれば、尚更好都合です。

★それでも依然として「何か変だ、あれはヤラセではないか」という人は、下記のブログ・サイト・動画をご覧下さい。田中康夫の下らない愚痴を読むより、よっぽど参考になります。

・1月5日 東京・日比谷の派遣村を突撃取材する(Epsiloncafe)
http://nomichan2001.cocolog-nifty.com/epsiloncafe/2009/01/post-13b3.html
・派遣村 速報レポートby 加藤登紀子 Tokiko Blog PART1/2(YouTube)
 http://jp.youtube.com/watch?v=vBwtzIZhTJY&feature=related
・湯浅誠「反貧困 これは『彼ら』の問題ではない」(平和への結集ブログ)
 http://kaze.fm/wordpress/?p=248
・反貧困ネットワーク
 http://www.k5.dion.ne.jp/~hinky/
・ガテン系連帯
 http://www.gatenkeirentai.net/
・レイバーネット日本
 http://www.labornetjp.org/
・マネーゲーム/金融危機のツケを回すな!サヨナラ新自由主義、作り出そうオルタナティブ12.18集会(アタック・ジャパン)
 http://attaction.seesaa.net/article/111134925.html

 以上、勢いに任せて長々と書いてしまいましたが、それでも前号エントリーでも書いたように、ネットウヨクに往時の勢いが見られなくなった事も、これまた確かです。今から数年前に派遣村みたいな事を試みていたら、逆に派遣村の方が世論からバッシングを浴びていたでしょうし、くだんの発言をした総務政務官も、何食わぬ顔してのさばり返っていた事でしょう。それが、ネットウヨクは今では、自分たちが散々崇め奉ってきたブッシュ・小泉・安倍・麻生の凋落ぶりの後を追うかのように、「2ちゃんねる」の一部でくすぶっているしか、能が無くなったのですから。
コメント (4)
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