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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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災害と新自由主義

2010年03月06日 19時59分20秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
チリ大地震、被災地で略奪行為も


・チリ地震 市民の略奪行為相次ぎ、軍が出動
 地震の発生したチリでは死者数が700人を超えた。現地では、市民による略奪行為が深刻になっており、チリ政府は軍部隊を出動させて治安維持にあたっている。
 チリ・バチェレ大統領は先月28日、この地震による死者が708人に達したと発表した。震源地近くの都市・コンセプシオンでは、アパートのがれきの下に約60人が生き埋めになっており、マグニチュード5を超える余震が続く中で夜を徹した救助活動が行われている。被災地では水や食糧が不足していて、略奪行為が相次いでいる。
 また、チリ政府は軍部隊を出動させて治安維持にあたっているが、AP通信によると、略奪をやめさせるために使用した催涙ガスで救助活動に支障が出る事態も起きている。(以上、日テレNEWSより)
 http://www.news24.jp/articles/2010/03/01/10154510.html

 私、先日起こった上記の南米チリでの大地震に関するニュースをネットで読んで、その時はただ「ああ、そうか」で終わっていました。しかし、後でマイミクの「ミー猫」さんの日記を読んで、「何故、略奪行為が起こったのか」という事を、改めて再認識させられました。下記がその日記の要旨です。

●チリのアジェンデ人民連合政権が、ピノチェトのクーデターによって打倒されたのが、1973年9月11日。南米で「911」というと、NY同時多発テロではなく、このクーデターの事を指す。
●その後16年間に渡って続いたピノチェト軍政の下で、数万人もの活動家や市民が、投獄・拉致・処刑された。
●また、「新自由主義経済政策の実験」が世界で最初に行なわれたのも、この軍政下においてであった。「新自由主義の教祖」と呼ばれるミルトン・フリードマンの息のかかった、シカゴ学派に属する米国の経済学者が大勢呼ばれ、後の日本の小泉構造改革にも匹敵するような、大規模な民営化・自由化・規制緩和政策が強行された。
●その結果、貧富の差が急激に拡大し、貧困率(所得がその国の平均の半分以下の人の割合)はアジェンデ時代の2倍の40%以上を記録。失業率も1975年の4.3%から80年代平均の22・5%にまで上昇。その為、最後には「シカゴ学派」はチリを追われる事になった。
●軍政が倒れた後もその後遺症は残り、1996年時点でも富裕層の上位5%は、最貧層5%の平均より100倍もの収入を得ていると言われている。
 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1426903281&owner_id=935361

 勿論、現地の被害拡大については、上記以外にも、もっと色んな要因があるでしょう。しかし、上記の要因も、社会的背景として在るのは、ほぼ間違いないでしょう。そう言えば、私もかつては、2005年に起こった米国ニューオーリンズでのハリケーン災害のニュースに際しては、旧掲示板に下記の投稿をしていたのに。それが今回は、「略奪行為」というマスコミの表現に目を奪われ、その裏にある背景を危うく見過ごす所でした。「もっと情報に鋭敏にならなくては」と思った次第です。
 以下は、その旧掲示板時代の拙稿「ニューオーリンズ水害の社会経済地理学」(2005年9月6日付)の要旨です。

●ニューオーリンズの市街地は、蛇行するミシシッピ川とその後ろの海跡湖の間に挟まれた狭い地域に立地している事が、グーグルの地図からも伺える。
●そこには、治水工事の痕跡が全く見られない。まるで、上町台地以外は全て大和川・淀川の氾濫原だった、中世以前の大阪平野の様な状態だった事が分かる。
●ハリケーン来襲時に、「勝ち組」は素早く車で避難出来たのに引き換え、車を持たない「負け組」は、避難も出来ずにニューオーリンズに取り残され、それが余計に被害の拡大を招いた。
●実際、ブッシュ政権になってからは治安対策優先で災害対策が後回しにされ、救援活動にも支障をきたす状態になっていたという。
●翻って日本でも、95年の阪神大震災や戦前の阪神大水害で最も被害が集中したのは、神戸市長田区にある在日コリアン・低所得者集住地区や未解放だった。「災害弱者」の問題は、古今東西問わず、極めて階級的な問題でもある。
 http://afghan2004.hp.infoseek.co.jp/kakolog91.htm
コメント
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