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個人日報と歩数計で過密労働の実態をあばく

2010年10月24日 23時59分31秒 | 職場人権レポートVol.1

 「いつまでこんな国勢調査みないな事を続けるんだ」と、職場で不評を買っていた個人日報ですが、とうとう昨日休止になりました。但し、所長曰く「あくまでも廃止ではなく休止」で「また必要に応じて復活するかも知れない」との事。どこまでも懲りない面々ですこと。
 前にも書いた通り、こんな個人別のデータを幾ら集めた所で、業務改善には糞の役にも立ちません。そもそも、個人の人の動きだけでなく、当日の作業人数や物量とも照らし合わせなければ、データを取る意味がありません。それも単に物量だけでなく、入荷タイミングや商品形状の違いによっても、作業の進み具合は違ってきます。そして、幾ら個人が効率アップを図った所で、人員不足には勝てません。完全にオートメ化された職場ならいざ知らず、そうでない限り、物流現場で最後に物を言うのは、やはり人海戦術なのですから。
 システムから見直さなければ、真の業務改善にはなりません。しかし、ウチの会社の社畜社員は、上には何も言えないので、こんな「小手先凌ぎ」の「個人への責任転嫁」で、ひたすらお茶を濁そうとするのです。

 しかし、これも物は考えようです。こんな業務改善には糞の役にも立たないデータでも、個人レベルの労働実態を暴くには、またとない証拠となります。今のままでは、腰痛でリタイヤする人間が必ず出てきます。そうなれば、上には何も言えない会社の事、労災もみ消しの挙に出てくる事も十分考えられます。それに備えて、今回、この個人日報を逆手にとって、これに歩数計のデータを重ね合わせる事で、過密労働の数値化・記録化に踏み切る事にしました。(上記写真参照)

■10/19~24日の日付別歩数等推移

 まずは10月19日(火)から24日(日)までの毎日の推移を次に記します。但し、23日(土)は測定不能です。何かの拍子にリセット・ボタンを押してしまったのか、途中でデータが飛んでしまいました。
 21日(木)、24日(日)が定休で、それ以外は出勤日です。出勤日のうち、19日だけが18時まで2時間残業で、それ以外は定時退勤です。

 各日付とも左から順に歩数、歩行距離、消費カロリーの表示です。但し19日については、歩数が測定上限の4万歩を超え、またゼロからの自動更新となった為に、後二者の数値については、そのままの形では表示出来なくなったので、他の値から下記の計算式で推定値を割り出しました。但し、これらの値は、あくまでも自分の体重を基にして割り出した登録値で、もちろん個人差があります。
 歩行距離(km)=歩数÷2000(歩幅0.5mで計算)
 消費カロリー(kcal)=歩数÷61.2
 
・10月19日(火) 18時残業終了時点 
 40673歩、20.336km(推定)、664.5kcal(推定)
・10月20日(水) 16時定時退勤時点
 36104歩、18.052km、589.3kcal
・10月21日(木) 定休日で17時41分に外出先から帰宅時点
 11852歩、5.926km、193.4kcal
・10月22日(金) 16時定時退勤時点
 37931歩、18.965km、619.2kcal
・10月23日(土) 定時退勤だが前述の理由で測定できず。
・10月24日(日) 定休日で18時01分に外出先から帰宅時点
 10182歩、5.091km、166.2kcal

 改めて驚かされたのが、定休日で少し出歩いただけでも、1万歩を超えてしまう事です。大体この歩数が健康ウォーキングの目安とされているので、こちらはまずまずかなと。ではそうすると、勤務日の3万歩から4万歩というのは、一体どうなるのかな。消費カロリーで見ても、ほぼランチ一食分に当たる訳で、そういう意味では充分ダイエットになってはいるんでしょうが、ここまで来れば、もう「健康ウォーキング」ではなく「酷使」でしょう。
 しかし、これだけ歩いても、労災認定の基準には届かないようなのです。確かに惨い数字ではありますが、飛び込み営業の人も毎日これ位歩いているので、それと比較されてしまうのだとか。この一事からも、今の厚生労働行政、ひいては日本の政治が、如何に非民主的(財界べったり)かという事がよく分かります。

■19日の時間帯別作業と歩数の推移

 冒頭の19日(火)付個人日報の写真をもう一度見て下さい。その一番左端に、作業場入構から事業所退勤までの歩数累計値が示されています(黄色枠で表示された数字がそれです)。
 この日は18時までの残業ですが、16時に定時退勤の日も、退勤までの作業の流れや時間の経過は、これとほぼ同じ内容です。物量の多寡に合わせて出勤数が抑えられているので、物量の多い日も少ない日も、個人当たりの作業負荷は変わりなく「ハード」なのです。

 では、19日当日の主な作業の流れと、節目ごとの歩数累計値の推移を、次に記します。

・06:50~07:05 作業準備
・07:05~08:19 資材2業者検品
・08:19~09:23 惣菜・水産ラインの商品仕分け
・09:23~09:40 畜産8℃帯ラインのメール仕分け
・09:40~10:00 搬送・紐付(ひもつけ)作業
 (注:仕分け済商品の台車を所定の待機場所に搬送しハンディに登録する作業の事)
・10:00~10:13 次の作業準備 ここまでの歩数14881歩
・10:16~10:46 前半30分の休憩(昼食もここで済ませる)

・10:46~12:53 野菜ドーリ・ラインの商品仕分け
 これまでの作業が、せいぜい10kg、重くても20kgまでの、比較的小物の商品をカートに仕分ける作業だったのに引き換え、ここではプラスチック製の緑色のバッカンを、毎日多い時は2千ケース近くも仕分ける。バッカンなので、きちんとかみ合わせて積まなければならない。入っている野菜も、カット野菜などの軽いものだけでなく、筍や牛蒡などの重たい土物まである。それを71店舗分も狭い場所で積んでいくので、どうしても中腰の姿勢での作業になってしまう。これをたかだか3名か4名だけでやっているのだ。午前中作業の山場の一つである。(下記写真参照)
・12:53~13:04 同上商品の搬送
  

・13:04~13:32 和日配(主に漬物や塩干小物)ラインの商品仕分け
 ボリューム的には、午前中の惣菜・水産・畜産ラインなどの仕分けと同じ。しかし最終盤以外は、ずっと小物類中心の仕分けが延々と続く。私が前述の作業を終わらせて応援に入る頃にも、まだ結構な量が残っているので、作業終了ノルマの13時半ギリギリまでかかる事も多い(下記写真参照)。
   

・13:32~13:43 搬送・紐付作業
 この日は結局終了予定時間よりも作業が後にずれ込んでしまった。その原因には、人手不足だけでなく、ギリギリまで商品を入荷させるからというのもある。それに対して、入荷時間制限のルールも一応あるにはあるのだが、それが全然守られていないのだ。しかもウチの社畜社員は、ひたすら上の顔色を伺うばかりで、業務上必要な意見すら言わないのだ。そして上も上で、如何に作業が後にずれ込もうと、現場の状況なぞお構いなしに、次から次へと商品を入荷させるのだ。そんな中で、次の作業準備も出来ないまま後半の休憩に入る。
・13:43~14:13 後半30分の休憩 
 ここまでで28365歩(13484歩の増)
 
・14:13~15:42 翌日分の牛乳の荷受・検品(担当分1社2226ケース)
・15:42~15:48 同上商品の搬送
 検品中も別チームが搬送してくれていたので、これだけの時間で済んでいるのだ。しかし、牛乳の仕分けもウチがしなければならなくなると、もうこんな余裕はなくなる。(左下写真参照)
  
・15:48~16:29 精肉パック入りバッカン・トレー(PC、右上写真参照)の格納・仕分け
・16:29~17:50 ここでようやく翌日分の作業準備にかかれる。
・17:50~18:00 帰り間際ギリギリに次のPCが入荷。
 このままでは帰りの送迎バスに乗れなくなるので、検品と0℃帯保管庫への格納だけに止める。
 ここまでで40673歩(12308歩の増)

■図らずも浮かび上がる職場の問題点

(1)根本原因の人手不足には手を付けず、個人の作業効率という自己責任の問題にすり替えている。
(2)それもこれも、私の勤務先の、二次下請けの業務請負会社の社員が、ひたすら元請の大手スーパーや、その系列下にある一次下請け会社の目ばかり気にして、業務上必要な事も言わないからだ。その結果、今まであったルールですら、守られないようになってしまっている(例:入荷時間制限のなし崩し)。
(3)その挙句に、労災上の危険すら起こりかねない状況になってしまっている。
 例えば23日(土)午後がそうだ。PC用ドーリの在庫管理もロクスッポしないまま、在庫が無いからと言って、PCをカゴ積みで入荷させて(左下写真)、バイトにドーリに積み替えさせる愚を、また平気で繰り返した(右下写真)。
 新自由主義の考え方が蔓延り、ひたすらコスト削減、人員削減だけが追求される中で、下請けは自縄自縛の奴隷根性に染まる一方で、大資本の横暴に全然歯止めをかけようとはしない。その中で、「在庫管理の徹底」などの業務上必要な意見具申すら出来ずに、そのしわ寄せを現場に擦り付けているのだ。これでは、意図的に腰痛を発生させていると言われても仕方ないだろう。少なくともこの件に関しては、これ以上黙っている事は出来ない。
  
コメント (1)
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