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箱根登山鉄道あじさい電車の旅その5 モハ1形と登山電車の成り立ち

2024年06月20日 20時44分08秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
強羅駅には箱根登山鉄道の旧型車両モハ1形の模型が展示されていました。高校生の作った模型ですが、前照灯のガラスの襞まで精巧に再現されていて、その見事な出来栄えに驚かされました。モハ1形は、それまでの木造車が1950年に鋼鉄製に作り替えられた車両です。ケーブルカー等を除けば日本最大の傾斜80パーミル(80/1000m)の勾配でも走行できるように、随所に色々な工夫が施されています。
 
まずブレーキですが、通常の車両にある電気ブレーキ、空気ブレーキ、手動ブレーキ以外に、レール圧着ブレーキも装着されています。いざと言う時には、特殊な石をレールに当て、その摩擦でブレーキをかけるのです。そして水タンク。電車の前方下部にはこれが設置され、カーブでは散水してレールの摩耗を防いでいます。他の鉄道では潤滑油を散布しますが、急勾配の登山鉄道では潤滑油では車輪が空転して危険なので、代わりに水を撒いているのです。
 
 
モハ1形は車両老朽化の為に2005年に廃車となり、改良型のモハ2形(左上写真)もわずか1編成を残すのみとなりました。代わりに、姉妹関係を結んでいるスイスのレーティッシュ登山鉄道の技術が使われたアレグロ号(右上写真)とベルニナ号が、観光客の輸送に大活躍しています。
 
箱根登山鉄道各駅の標高を次に書き出しておきます。小田原から強羅まで直線距離ではわずか約15kmしかありません。それだけ走る間で500m以上も上がるのですから、この鉄道がいかに険しい山中を走っているか、お分かりいただけると思います。
 
 
 箱根湯本108m
 塔ノ沢165m
 大平台349m
 宮ノ下448m
 小涌谷535m
 彫刻の森551m
 強羅553m
 
沿線のあじさいも、この高低差のおかげで、下から上まで開花前線が上がり切るまで、6月中旬から7月中旬まで約1ヶ月かかります。私が行った時は既に終点の強羅付近もだいぶ咲いていましたが、それでもやはり麓の方が咲き方が若干華やかでした。
 
 
箱根登山鉄道では、この急勾配を上がる為に、3ヶ所のスイッチバックが設けられています。スイッチバックで電車の向きを変えながら、ジグザグに山腹を上っていきます(前記の地図参照)。上の写真はそのスイッチバックの信号場です。駅ではないので乗客は乗り降り出来ません。でも小さなホームが設けられています。何故でしょうか?(実際に電車に乗ればすぐに分かります)

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