9月になりました。
暑い夏でしたが、昨夜のまとまった雨のせいか今朝は季節の移ろいをはっきり感じ取れるくらいの涼しさでした。
夏真っ盛りの時に、東京新宿に行きました。
その日は何と34度!
緑もほとんど目に入らないうえ、道路はアスファルトだし、行き交う人も足早でいかにもあつそう・・・
はるかな昔、北九州から上京して東京で大学生活を始めた時、渋谷から池袋まで山手線に乗って通学したのですが、「東京ってなんて緑が多いんだろう」と明治神宮の森を見ながら感動していました。
普通の家のお庭にも、丹精込めた花々が咲いていて、上京してすぐは沈丁花の甘い香りにも魅かれたものでした。
新宿東口といえばアルタでしょう。タモリの「笑っていいとも」はギネス記録でしたね。
考えてみたら、私が育ったのは北九州工業地帯の真ん中。
周り中が工場という特殊な地域でしたから特別に緑がなかったということなのです。
何しろ、土筆やヨモギを摘みに「車」で1時間も行くというのですから。いま思い出すとこのようにしてまで自然を味あわせてくれた両親にほんとに感謝しています。
ただ父の田舎には夏休みになると行っていましたから、夏の草いきれや、草を燃すにおいや、田んぼの水草すくいなど「私の夏」は田舎の情景の中にあります。
非日常ではあったのですが、トンボやチョウ、セミなどの虫たちも夏休みのシーンの中から始まります。
我が家に飛び込んできたクワガタ 私たちは、その時々にいろいろなことを感じたり考えたりしながら生活していくのです。
生きてきた事実が「今の自分の感じ方や考え方」を決めているという当たり前のことに思い至りました。
確かに前頭葉は体験の中から自分なりの色をつけていくのですね。
セミの抜け殻
私は、本当に緑のないところで育ったのですが、両親が自然を体験させることに心を砕いてくれていたからこそ、東京の緑を見つけて喜ぶことができました。
その後は、自然豊かなところでの生活が長くなりましたから、
「東京って緑がない!」と気の毒になり、同じ34度でも、東京の方がもっと暑いような気がしました(笑)