「パチンコ」 山スキーヤーでこれをご存知の方はど位いるだろうか?パチンコとはまたの名を「フィットフエルト」とも言う。この締具は革製のバンドにフック式の金物を取り付けたもので、ヒールフリーで登山靴、スキー靴、またはゴム長靴でも使用できる便利な代物だった。もしご存知であれば少なくても私より年代は上の山スキーヤーでしょう。
自分は長年山スキーをやって来て、ある意味でラッキーな体験をした一人と思っている。今使っているビンディングは多機能、かつ高性能のディアミールだが、ここまで至る間の変遷は実に長い。これは子供の頃の遊び道具を含めての話だが、山スキー関連という考えからすると次の様になる。パチンコ(フィットフェルト)→カンダハー→ジルベレッタ100?(初期のワイヤー式)→サレワツアービンディング→ディアミール。
ディアミール以前はあまり山スキーをやっていなかったので、当時山スキーで主流を占めたジルベレッタ100~400系を使ったことはなく重要な部分が欠落しているが、それ以前のパチンコとカンダハーには色々とお世話になった経緯がある。えらい大昔の話でこうしたかつての愛好家はきわめて少数派だろうが、自分にとってはスキーの変遷を辿る上で貴重な経験と思って実に思い出深い。
フィットフェルトとの最初の出会いは小学生の頃、ゴム長靴に単板スキーに竹のポールというスタイルの時代だった。板にはエッジなどは無く、ソールも今のようなポリポロピレン製では無く木にラッカーを塗った安物だった。購入先はスポーツ店などではなく、近くの金物やとか本屋などで買った思い出がある。要するにスポーツ用品でもなく、生活に直結したした用具でもない、単なる遊び道具の「おもちゃ」だった。
この単なるおもちゃの締具なだが、実は今の山スキーの基本的な要素に通じる多くの思い出がある。子供の頃はといえば山奥の暮らしで、冬になると子供の遊びばソリとスキーが唯一熱中できる時間だった。近くにスキー場などというものは無く、フィールドは裏山の伐採地跡とか杉の植林地で、もちろん踏み固められた斜面などは無く、自分の板で踏み固めてコースを作るのが常識。
当然便利なスキーのシールなど無かったが歩いたり斜面を登高することも可能だったので、雪の斜面を求めて裏山を歩いて行くときの気持ちは今の山スキーと通じるものが有ったと思う。雪深い田舎の山村では子供の頃の遊びはスキーとそり遊び位しかなかったので、この頃に刷り込まれた遊びの感覚が今でも消えないのだろうと勝手に思っている。
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