いち早く山スキー用具も綺麗にして片付けた後は、田舎での大切な仕事が待っている。これは単なる山菜取り取りなのだが、爺さん婆さんにとっては今でも食生活では重要な位置を占め、これが無いと日常の食生活はもちろん、盆・暮れの献立にも事欠いてしまう。
この時期ワラビ・ゼンマイ・フキは食卓を飾る主役的な存在の他、ワラビ・フキの塩漬け・ゼンマイ干しは今でも冬季間の重要な保存食。おかずでも有りまたお茶受けとして好まれ、50年以上前と変わらない様な食生活が根付いている。自分もそれなりの年代となるとやはり同じ道を辿っている様で、高蛋白・高カロリーはとっくに敬遠気味となり、質素かつ素朴な味わいの田舎料理に体が馴染む。
昨日は杉の植林地の沢筋に広がるフキ畑を訪れ、1時間半程で10.0kgの収穫を終えて満足至極。今年は気温は高めながら雨不足の為かやや痩せているが、沢筋ではならでのみずみずしさと太くて柔らかいフキは何時もの通りで、山からの恵みを毎年実感するときでも有る。
しかし、集落内の高齢化はどんどん進み、80歳を越える人が珍しくなくなると山に入る人は激減している。どこかよその地から訪れる山菜取りが増加し、ちょうど良い頃にはごっそり持って行かれるという運命にある。例えば裏山の豊富なコシアブラなどは最近手遅れで、山スキー夢中になっているとここ5年間ほどは殆ど泥棒被害状態にある。せっかく手入れした山林はお客様専用で、公園の様な環境で山菜取りの醍醐味をタダで満喫という具合。
最近、近所では近所で畑にワラビとウドを多量に植え付け、毎年肥料をまいて育て多量に収穫といった傾向が普通になった。すっかり腰の曲がった婆さんにとっては収穫の喜びが大きいと見え、セッセと畑を増やし続ける事に生きがいを見出した様にも見える。ただ、藪の中で力強く成長した太くて黒ずんだ物と違い、小ぶりで野菜の色と似た様なワラビはぬめりも無く、自分じゃどうしても好きにはなりませんが・・・。
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