大晦日と元旦を家で過ごせない4人が集まり、雪深い深い船形山の柳沢小屋で行く年くる年の会を開催。呑んで食ってごろ寝が目的の会だが、実は、山の中で正しいそばを食べる会の7回目なのだ。
大体、冬山で蕎麦を食べるという発想そのものが普通ではないが、ここ柳沢の小屋でしかありえない美味しいぞ蕎麦が食べられる。美味しい蕎麦を作るには多量の水が必要だが、すぐそばには冬でも豊富な湧き水の出る水場があり、小屋の中には豊富な薪があってストーブが完備してある。おまけに小屋は快適な畳敷きで囲炉裏もありテーブル付き。
常備してある鍋で蕎麦を適度に煮込んで水にさらす訳だが、大事なポイントは水を張った鍋にスコップで雪を入れて冷やし、湯出たてのそばを一気に締めて食べる点なのだ。ザルはなかったが鍋から引っ張ってタレにつけて食べた時の食感は格別で、しっかり締まった蕎麦は下界で味わえない代物で絶品。贅沢にも湧き水でゆで上げた蕎麦の揚げたては美味。
すっかり温まった小屋でそばを食べた後は蕎麦湯の楽しみも・・・。少し沈殿させた蕎麦湯の上澄みはそば焼酎で楽しみ、下に沈んだ濃い蕎麦湯はさらに煮込んでとろみが出るまで水を抜き、蕎麦タレを少し入れると濃い味わいがたまらない。一般の蕎麦屋ではそば粉をお湯で溶いたイカサマ蕎麦湯が当たり前のようだが、そば粉の生っぽい感じもなく蕎麦風味満点のとろみもまた良い。これに蕎麦焼酎が有れば完璧だった。
持参した蕎麦も東根の名店の品で、オリジナルのタレもダシの効いたホンマ物。何時も混雑する柳沢小屋でこんな事は出来ないが、他に誰もいない冬の貸し切り小屋でしか出来ない大人の贅沢?
【関連サイト】 東北アルパインスキー日誌
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