本と映像の森 133 あさのあつこさん著『グラウンドの空』角川書店、2010年7月20日初版、318ページ、定価1300円+消費税
「あの」あさのあつこさんの野球少年小説です。
主人公の瑞希(みずき)は、地元・八頭森東(やずもりひがし)中学の2年生で、野球部のキャッチャーです。
キャッチャーと言っても、エーズピッチャーが急な転校でいなくなったのが悩みで、同級生で親友の良治(ファースト)とともに、ピッチャーをさがす物語です。
そこに都会からやってきた転校生・作楽(さくら)透哉(とうや)が2人の前に姿を現します。
一見少女かと思うような顔立ちと細身の身体で、透哉は、都会で元ピッチャーをしていました。
心に傷を負い、転校してきた透哉を2人の少年が誘い、野球をやろうと接近していきます。
瑞希と良治の会話はほとんど漫才ののりで楽しいです。
2人と透哉の会話と行動は、静かな緊張感に満ちていて、キャッチボールなども3人の思いと意志が、じれったいくらい少しづつ進んでいくプロセスの物語です。
ですから野球小説なのに、試合の中身はいっさいありません。
透哉の球をなんとしても捕手として捕りたいという瑞希の思いは、ほとんど恋物語そのものです。
「おれ、ほんとは…他にもちゃんと言わんとあかんことがあったんや。おれ、地区大会とか甲子園とか抜きにして…そういのは関係なく、もう一度、あいつの球、捕りたいんやって…伝えなあかんかった」(p182)
結果がどうなるか?透哉はグラウンドに来るのか?ドキドキする恋物語です。
なお、この本を買った方は、「序章」はいちばん後で読むことをお勧めします。
「あの」あさのあつこさんの野球少年小説です。
主人公の瑞希(みずき)は、地元・八頭森東(やずもりひがし)中学の2年生で、野球部のキャッチャーです。
キャッチャーと言っても、エーズピッチャーが急な転校でいなくなったのが悩みで、同級生で親友の良治(ファースト)とともに、ピッチャーをさがす物語です。
そこに都会からやってきた転校生・作楽(さくら)透哉(とうや)が2人の前に姿を現します。
一見少女かと思うような顔立ちと細身の身体で、透哉は、都会で元ピッチャーをしていました。
心に傷を負い、転校してきた透哉を2人の少年が誘い、野球をやろうと接近していきます。
瑞希と良治の会話はほとんど漫才ののりで楽しいです。
2人と透哉の会話と行動は、静かな緊張感に満ちていて、キャッチボールなども3人の思いと意志が、じれったいくらい少しづつ進んでいくプロセスの物語です。
ですから野球小説なのに、試合の中身はいっさいありません。
透哉の球をなんとしても捕手として捕りたいという瑞希の思いは、ほとんど恋物語そのものです。
「おれ、ほんとは…他にもちゃんと言わんとあかんことがあったんや。おれ、地区大会とか甲子園とか抜きにして…そういのは関係なく、もう一度、あいつの球、捕りたいんやって…伝えなあかんかった」(p182)
結果がどうなるか?透哉はグラウンドに来るのか?ドキドキする恋物語です。
なお、この本を買った方は、「序章」はいちばん後で読むことをお勧めします。