玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*蝶のスタジオ

2012年06月24日 | 玉川上水の四季

 夏至を過ぎてこれからは少しづつ少しづつ日の出が遅くなっていく。いつの間にか公園で虹色のねむの花が咲いた。庭では萩も咲いている。花の咲き始めを自分で気付いたときはなぜか嬉しい。オープンギャラリーの夏至の展示は「海岸寺の六地蔵」だ。鈴木忠司さんの6枚の鉛筆画が展示されている。いずれも黒の単一色による作品で、それぞれの余白にはオカトラノオ、ホタルブクロ、ドクダミなどの夏の花が描きこまれている。六地蔵シリーズは4回企画で春は小川寺だった。

 鈴木さんの現在の関心事は蝶の羽化である。産卵から羽化までに蝶が必要とするような草木を集中した「蝶のスタジオ」が自宅近くに作ってあるという。以前に自宅の庭先でシジュウカラを巣立ちさせたと伺った。今度は蝶のスタジオで蝶を羽化させるというのである。自分でやってみないと気が済まないこの実証主義精神と行動力には脱帽である。カプセル状の「さなぎ」から脱皮して縮んでいた羽根が伸びる「羽化」の瞬間を多くの人に見せたいと考えているようだ。

 次回の観察会は2週間後だが、蝶のスタジオではあと一週間もすると羽化が始まりそうだ。そのときは緊急に連絡することがあるかもしれないという。ナミアゲハ、キアゲハ、ジャコウアゲハのいずれかの羽化が見られるかもしれない。羽化したあとの蜜としてヤブガラシとブットレアなどが用意されているという。私は決定的瞬間に立ち会えなくても、いずれ蝶のスタジオは見せてもらいたいと思った。今日の夏至の観察会は小さな公園の草むらに咲く小さなネジバナと野草保護区の桔梗だった。その途中に思いがけなくルリタテハどうしがクヌギの樹液を奪い合う場面に遭遇した。

 昨日の土曜日は中央公民館の「小平のうどんづくり」講座に参加した。鈴木さんの花のアトリエスタッフが主催者側として2人も関っていたので私の前日申し込みが許された。うどん粉500g、水250cc、塩20gを、こねる、足で踏む、ねかせる、のばす、切るまでを2人1組で実習する。昔の四国旅行のときの讃岐うどん作りを思い出した。切り終わったうどんは持ち帰るためのものだった。隣りの部屋にはすでにゆでられたうどんが用意されていた。私たちが食べたうどんはこの日には姿を見せない鈴木さんが作ったものだと知った。鈴木さんはうどんの指導を後継者に委ねたようだ。

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