「笑い」
子供がテレビを見て、声を上げて笑っている
お菓子を食べていた手も止まった
よっぽど、面白かったのだろう
僕を誘いに来た、一緒に笑うことを期待してのこと
君はジュースで、僕はお茶にして
僕が座り、画面を眺めると、顔をちらちらと、盗み見る子供
僕が想像通りに笑うか、ちょっと気になってのこと
大丈夫、僕も笑うから
その人が面白ことは、きっと君よりも
僕の方がよく知っている
そうして、僕の笑いに、満足したように、笑いを重ねてくる
その人は僕にも、沢山の笑顔をくれた
苦虫をかみつぶした日の僕にも、その笑いは届いた
固く結ばれた、苦しい気持ちが緩んで
一瞬に、解けた、その日、心は軽くなり、眠れた
沢山の笑いをくれた人
あなたと一緒に失われた、その先の笑いがあって
それがとても残念だ
人の狭間にある笑い、僕もそんな笑いに含まれていると思うと
ちょっと安心をする、みんな、そんなに変わらない
可笑しなことを、しているかもと言う、気恥ずかしさを、抱えている
自分の一生懸命も、思い込みも、ずれたものと
思えれば、笑い、肩の力も抜けてくる
そんな自分に、親しみさえも、やがて覚えて
悲劇も、悲劇では続かせない
甘いキャンディーの包み紙のように
華やかな笑いで、包み込むことができれば
テレビの前で、心置きなく笑っている子供は
笑えることの、大切さを何時に感じるのだろう
その時にもあっけらかんと、笑っていられる、君でいて欲しい