「灯台」
# 1
遠くの島には
夏の陽射し
貯めてやがて放とうとする
静かな白い灯台
夜になったら、船は
それを頼りに進めばいいから
安心をしている
その航海は穏やかな
水脈を曳く
# 2
灯台の灯り
頼りにはできない
鴎は不安げだ
辺りを見回す忙しさ
焦る心のままに
空には大きな標もなくて
置いてけぼりで
でも、空から眺める
視点があるだけも
まだいいさ
きっと、僕のいる地上の
行き止まりの数々も
空からなら見えるのだろうから
# 3
何を標に、行き止まりばかり
この土地を、歩けばいいのだろう
我が物顔で立ち並ぶ
偽の標識ばかり
けれど、優しい人たちがいる
触れて、温かく、笑顔をくれる人たちがいて
優しい人と人との間
雨と雨との晴れ間を
ゆっくりと歩いて行けば
僕はいいのかも知れないな
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