巡礼の旅 【詩】 2020年11月05日 | 詩 「巡礼の旅」 山並みに向かって真っ直ぐに赤い道は続く冬の夕日が瞳を一杯にする冷たい風に手を握られる 燃えている煉瓦色の街火を流す川裸の樹々の枝にかかる星昇りかけの薄い三日月 小さな巡礼への焦げる思いが鼻の奥でまたくすぶり始める
冬の夕何か悔しい赤さなの家の明かりが恋しくなる僕 【短歌】 2020年11月04日 | 短歌 その日の夕方は ひときわ夕日が赤く とても悔しいことでもあって 泣きぬれているかのようでした その夕日の中を静かに歩いていたら いつしか自分にその夕日が染み付いて 淡い悲しみが胸に広がっていくようでした 僕は足を速めました まるでその夕日から逃げるかのように 明かりのついた家々の窓辺を眺めながら 僕も自分の帰る家に 早く辿り着きたいと思っていました