jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

物憂い香りが ・・・・・ AT SHELLY'S MANNE-HOLE / BILL EVANS

2016-03-20 |  Artistry of Bill Evans

 

 

正真正銘!超驚愕の発掘音源!!ビル・エヴァンス幻のスタジオ録音が遂に陽の目を見ます!

「メンバーは、エディ・ゴメスにジャック・デジョネットというトリオ。つまり、ビル・エヴァンスの数ある作品の中でも人気が高く、グラミー賞を受賞した(最優秀ソロイスト賞)、あのジャズ史上の名盤『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』と同メンバーのトリオ。このトリオは活動期間が6ヵ月しかなく、今までモントルーの音源が唯一の公式録音。それ以外でも数曲しか聴くことができませんでしたが、本録音は、モントルーでのパフォーマンスの5日後の演奏をたっぷり記録。しかもスタジオ録音というのだから本当に驚きです。」

以上はキャッチ・コピーです。

   

 

 

 

いゃ~、凄い音源(MPS)が出てきましたね。4月の上旬にリリースされる予定でLPもあるとの事。

どうしようかな?・・・・・・・・・

実はこの『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』、ちょっと苦手なので。

 

 

念のため、聴き直しましたが、うぅ~ん、あまり気持は変わりません。

でも、スタジオ録音か ・・・・・・・・・・・・・

 

 

迷いながらこのアルバムに針を。

1963年5月、ハリウッドのシェリーズ・マン・ホールでのライブもの。

カヴァ同様、地味な作品ですね。下は後年、リリースされた同ライブの未発表作品集。

 

 

   

 

 

ちょっぴりレイジーさを含んだpとごく普通にリズムを刻むbとdsが醸しだす物憂い香りは、センシティブでクールなリリシズム、ドラマティックな展開、またb、dsとのインタープレイ等々、他の名盤で聴かれる世界とまるで別もの。

 

夕暮れ時、閑静な住宅街を散歩中、何処からともなく‘Lover Man’(TIME REMEMBERED収録)のメロディが聴こえ、ふと見上げると二階の窓から仄かな灯りとともに。思わず立ち止りタバコに火を・・・・・・・・・

そんな情景を思い浮かべる穏やかさに包まれたアルバムですね。

 

この2枚の作品の中に、自分の好きなもう一人のエバンスがいるような気が・・・・・

 


THE SOLO SESSIONS Vol.1,2 / BILL EVANS

2015-08-29 |  Artistry of Bill Evans

 

 

   

 


 

この2枚の音源は、既にVERVEへ移籍していたエヴァンスがRIVERSIDEとの契約履行に基づき、1963年1月10日、ソロで録音したもの。


 

しかし、リアルタイムではリリースされず、エヴァンスの死後、1985年、「The Complete Riverside Recordings」というBOX Setの中で初めて日の目を見、4年後の89年に、まず「Vol.1」が、そして92年に「Vol.2」が単体でリリースされた。

「Vol.1」はレコード(上の画像)とCDでリリースされましたが、「Vol.2」はCDのみ。




人気者、エヴァンスの初めてのフルサイズ・ソロ作品にしては、異例なほど不憫な扱いをされ、その理由が、契約の消化演奏のようなもので、リハーサルもどきの演奏が混在する、と言われる。

確かにそうした箇所が散見され、当時、キープニュースとエヴァンス自身も表に出すまでもない、と判断したそうです。


 

でも、先入観を棄て、50年以上前の1月10日の夜、スタジオで一人静かにピアノに向かうエヴァンスの姿を思い浮かべながら、このソロ演奏を聴くと、単に「完成度」という尺度では測ることが出来ないエヴァンスの「音楽性」が見えてくる。

 

例えば、Vol.1の2曲目のメロディ、'My Favorite Things~Easy To Love’に掛けてややラフな局面が有り、ここを「思いつき」と捉えるか、イマジネーション、インスピレーションを働かせながら「出口」と「入口」を模索している、と捉えるか、大きな違いが出てきます。


また、Vol.2の1曲目、‘All The Things You Are’の後半、押し寄せる荒波のような激しいプレイは、一般的なイメージと異なり、本来の「武闘派」の顔を見せつける。




いじれにしても、この2枚は、カヴァは実に素っ気ないけれど、エヴァンスの「素顔」を聴かせる作品として、大好きで、聴く頻度も高いです。


INTERPLAY / BILL EVANS

2010-04-07 |  Artistry of Bill Evans

                       boston acousticsで聴いた今日の一枚

 

 

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今日、4月7日は一昨年末に惜しくもこの世を去ったFREDDIE HUBBARD(tp)の誕生日。

生きていれば、72歳。

丁度、車で出掛けたので、リーダー作ではないが、ハバードの好演が評判のこの人気作を聴いた。

 

PERSONNELは、

FREDDIE HUBBARD (tp) JIM HALL (g) BILL EVANS (p) PERCY HEATH(b) PHILLY JOE JONES (ds)

録音は1962年7月16,17日、NY エンジニアはT・Nola

 

 

 

当初、このセッションにはA・ファーマーが予定されていたそうですが、当時、若手No.1の呼び声が高かったハバードが起用され、演奏スタイルの違いから戸惑いながらも、先輩達に励まされ、そのフレッシュなプレイが適度の緊張感を生み、結果的ですが、大正解だったようです。

ファーマーの代わりに、バード、ミッチェル、モーガン達ではなく、ハバードの持つSomething Newに賭けた、プロデューサー、O・キープニュースの慧眼と言っていいだろう。

 

ただ、人気作にもかかわらず、あまりにハバードのtpの存在感が強いせいなのか、リーダーのエヴァンスの代表作として、取り上げられる事は少なく、むしろ、時として、ハバードのベスト・ブレイ盤として挙げられている。

でも、それは、間違ってはいないけれど、正しいとは言えない。何故ならば、エヴァンスは‘WALTZ FOR DEBBY'で代表されるリリシズム、ロマンティシズムだけが魅力ではなく、また、ハバードにしても、このセッションで聴かれる内省的なプレイが彼の魅力の全てではありません。

 

まぁ、それはそれとして、本作の最大の聴き所は、タイトル通り、5人のメンバー、全員のリラックスした中にも溢れるスピード感、緊張感ではないでしょうか。そして、何よりもスインギーで、全員がノッテます。

 

TOPの‘You and the Night and the Music’が本作の全てを表しています。そして、車の中では、タイトル曲のルーズさ、緩さが何とも言えない心地良さを醸し出していますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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