boston acousticsで聴いた今日の1枚
WITHOUT A SONG / FREDDIE HUBBARD (BLUE NOTE) * 1969
JAZZを聴き始めて、最初にオレの脳天をぶちぬいたのはフレディー・ハバード(tp)だった。40年も前のこと。それ以来、ハバードはずっ~とオレにとってヒーローでありアイドルだった。
昨年末、ハバードは突如、この世を去った。享年、70歳。円熟期を迎えた1993,4年頃、トランペッターの命ともいえる唇を痛めるアクシデントに見舞われ、その後、肉体的にもいろいろなハンディを抱えながら、断続的に活動、何年か置きにニュー・アルバムも発表し、昨年夏には、70歳を祝うアニバーサリー作品をリリースし、本格的なカンバックが期待されたばかりであっただけに、その数ヶ月後の急逝は、あまりにもショックが大きかった。
70年代に入ってハバードは持ち前の新しい感性とチャレンジ・スピリット、そいて抜群のテクニックを駆使して、ジャズ界のスーパー・スターへの道を登り始め、ダウン・ビート誌の人気投票で、あの帝王マイルスを破り、No.1トランペッターになり、それ以後、ジャズ・トランペット界の最高峰として長年、君臨したのだ。
この作品は、1969年、彼が31歳の時、サド=メル・オーケストや他のメンバーとヨーロッパ公演した際の、未発表(一曲、Body & Soulを除き)テープから選抜され、つい最近リリースされたもの。
このアルバム音源が録音された1969年と言えば、ハバードが飛躍する直前だけに、音色、キレ、躍動感、どれをとっても、文句の付けようがないほど、素晴らしい。こんな未発表音源が今まで、手付かずであったとは、驚きですらある。
最近、AVENGERと出掛ける時、いつも、このハバードのtpが流れている。何度、繰り返して聴いても、ちっとも飽きない。バラードを優しく包み込むように、ジャズ・ナンバーを情熱的に、それより何よりも、そのオリジナリティ溢れるプレイが、40年後、またしてもオレの脳天をぶち抜いてくれた。
それにしても、boston acousticsはハバードの魅力を1音たりとも漏らさず、引き出してくれている。