この歳になると、そろそろ教養を身に付けなアカンと考え、本屋へ。
ぶらぶらしていると、こんな本を見つけてしまった。「(悪い意味でなく)今更、コルトレーン?・・・・・」と、思ったが、ついつい手が伸びた。著者は誰かな?と見てみると、四谷の御仁だった。「またかよ!」
よく見ると、責任編集なんて、回りくどい表記がしてありますが、まぁ、次から次へ、出るわ、出るわ、感心しますね。
パラパラと流し読みして、元へ戻しましたが、リアル・タイムでコルトレーンを聴いた方々には、あまり新鮮味はないですね。
で、冒頭で相倉氏と菊地氏の対談がありますが、中身はともかく、相倉氏は、70年前後、ジャズ界を席巻したチャールス・ロイドを「機を見るに敏ないかさま商人」と断じた方ですね。
確かに、ロイドはコルトレーンの奏法と当時、台頭し始めたロックをジャズの枠内で上手くブレンドさせ人気を博した。でも、ロックとの接近は避ける事の出来ないジャズの新しい流れだったのです。
僕自身も、初めてジャズ喫茶へ行った時、あの‘FOREST FLOWER’に脳天をぶち抜かれ、JAZZの世界に嵌り込んだ。もし、あの時、‘FOREST FLOWER’が流れなかったら、果して、いままでジャズを聴いていたか、甚だ疑問ですね。
かって、マイルスは、ヴィレッジ・ゲィトでロイド・グループと共演した際、こんなことを言っている。
「ロイドのグループの人気はすごいものだった。オレたちが、メインなのに、来ている連中の目当てはロイド・グループでこれほどまでとは思わなかった。オレたちが相手にしているジャズ・ファンとは違った種類の人間で満員となり、こういうオーディエンスを相手に演奏したいと思った。クラブで酒を飲みながら上品に演奏を聴いている連中と違ってワイルドで、連中が新しい時代を引っ張っていくと感じた」と。
相倉流で言うと、ロイドにインスパイアされたマイルスも、その後、「いかさま商人」の道を歩んだ、となる。ちょっと拡大解釈やもしれませんがね(笑)。
それはそれとして、ロイドが旧ソ連のタリンでライヴ録音したレコードを聴くと相倉氏が断じた事が、、果して、当っているかどうか?よ~く解ります。まぁ、「いかさま」だから、あれほどに聴衆を熱狂させれたかもね(笑)。
ジャケは2種類あります。とにかく、一度、聴いてみてください。
それから、「21世紀に聴くアルバム・ベスト5」では、
なんと、四谷の御仁が強く推した‘MEDITATIONS’が目出度く選出された。でも、それって有り?って感じです。あまりに唐突で、恣意的、作為的だなぁ。
何故ならば、以前、サンダースは単なる「騒音発生機」で邪魔と明言していたのは、当の本人では?
何か目新しいものでも挙げねば、という思いだけが先走っているし、ちょっと無責任では?
なお、本作は、拙HP、「この人のこの一枚」で採り上げている。
他の4枚は、バードランド、ニューポート63?、至上の愛、それとモンクとの発掘盤だったような気がします、でも、違っているかもしれません。なんせ、立ち読みで、パラパラなので。
で、僕もこれに倣って、5枚を選んでみました(笑) 全然、、違うなぁ。発掘音源は別枠で考えているけれど。
コルトレーン、「前人未踏の世界」への軌跡を一気通貫しました(5枚ですが)。どお?