年初め、DU(名古屋)の買取査定10%UPキャンペーンを利用してレコード、CD、合わせ60枚を処分した。STRATA-EAST盤の思いもよらぬ高査定で弾みが付き、諭吉の枚数が増えました。こちらの腹積りと丸ッと逆転するケースがあり、帰りにコーヒーを飲みながら明細書を見るのが、ホント、面白く、楽しいです。それにしてもBN盤は急激に人気が上がったのか、音符ラベルでも状態が良く、RVG印有、シュリンク付きなら、いい値が付きます。オリジナル盤はもう庶民に手が届かない領域に突入している。バブルですね。その点、CDは弱くなるなぁ~、二束三文を実感します。一時はCD、CDと騒がれたのに・・・・・、でも、逆に、今、狙い目ですよ。現にゲッツとエヴァンスで美味しい思いをしました。CDを侮るべからず。一時、CDはデジタルだから音が良い、今度はアナログの方が良い、ってマスゴミに踊らされずに(笑)。
かって、「ジャズ喫茶の名盤」と崇められた一枚を。悲しいかな、もう、こうした呼び方は二度と来ないでしょう。
STRATAーEASTという特殊なレーベル(独立系・自主製作)のため、なかなか手に入り難い状況が続き、噂が噂を呼び、持っていた店は連日、「満員御礼」の垂れ幕が下げられたとか、自慢げに煽る店主とか・・・・・(笑)。1969年録音ですが、リリースは1972年になってからで、ジャズ喫茶のピークを飾る最後の一枚かもしれない。この1、2年の間にジャズ・ファンの嗜好がガラッと変わり、ソロ・ピアノ、リターン・ツー・フォーエヴァー等々が持て囃されるようになり、本作のようなアングラぽさを醸すレコードは少なく、余計にファンを惹きつけたのだろう。60年代のジャズ喫茶黄金期の匂いだ。
TOPの”Vienna”(ヴィエナ)の退廃的なメロディが殊の外、人気ですが、ウィーンの街のイメージと異なるエセモノ風のD・チェリーとデリカシーに欠けるA・ヒースのプレイに馴染めなかった。だから、まさか「ジャズ喫茶の名盤」に大出世するとは夢にも思いませんでした。もっとも、ウィーンだけでなく、どんな街でも「表と裏、陽と陰」の顔を持っているので、自分勝手なイメージの押し付けと分かっているんですが・・・・・ でも、改めて聴くと、だんだん遠くに霞んでいく懐かしい「あの頃」が思い浮かび、当時より身近に聴こえますよ(笑)。
B面に最晩年期のドーハムのプレイが聴けます。どういう経緯からか、DB誌でディスク・レヴューを担当し始め、辛口のコメントを発したのが原因なのか、60年代後半からめっきり出番がなくなりました。自信作”TROMPETA TOCCATA”(BLUE NOTE 4181)の評価が三星半と低かった事を理由に他のミュージシャンの作品(特にトランペッターの)をシビアに評したのは拙かった。本音は違う所にあったけれど、曲解、悪用されたケースも見受けられます。口は禍の元でしょうか。そもそも、この手の二刀流はあり得ないでしょう(笑)。ただ、ひょっとしてこの時、体調を崩し演奏活動が出来なかったかもしれない。亡くなる3年前の貴重な録音ですね。そういえば、ケリーも2年後に亡くなっている。
この白ラベルが1st盤で白黒は2ndのようです。STRATA-EASTはトリヴァーとカウエルのMUSIC INC.から注目し、早くから他のレコードも含め入手していたので、ラッキーでした。
さぁ、 「どうする?」(笑)。狙っているブツが目の前に現れたら、その時、考えよう。