jazz and freedom and avenger

JAZZを聴きながら勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

さぁ、準備万端 ・・・・・ READY FOR FREDDIE / FREDDIE HUBBARD

2025-02-10 | Legacy of Freddie Hubbard

昨年の晩秋の頃、DU名古屋に立ち寄った際、置かれていたジャズ・レコードのウオントリスト(買取査定10%UP)です。相変わらずBLUE NOTEは人気が有り、オリジナル盤(MONO盤)は高額査定です。TOP3は”INTRODUCING / J・GRIFFIN”(BLP1533)が22万、”HANK / HANK MOBLEY”(BLP1560)、が19.8万、”CLIFF JORDAN / CLIFF JORDAN”(BLP1565)と”US THREE / HORACE PARLAN”(BLP4037)が共に17.6万です。販売価格はいったいどの辺りに落ち着くのでしょうか?

自分が所有する盤は殆どSTEREO盤、又は再発盤、国内盤なので、ここに掲載されているレコードでズバリ該当するのは右ページの”GRASS ROOTS / A・HILL(BST84303)の1枚だけです。

 

左ページの下段にUPされている”READY FOR FREDDIE / FREDDIE HUBBARD”のSTEREO盤(BST84085)を所有しており、MONO盤は5.5万の買取査定がされている。STEREO盤は恐らく六掛け位かな。

 

BN初デビュー後、僅か1年あまりで、早くも4作目(1961.8.21 録音)となる本作はそれまでの3作とは、肌触りが確実に違う。4040、4056、4073では、セッション・リーダーとして、また、時代の新しい担い手として若武者らしく未完ながらグイグイとグループと引っ張っていくようなパワフルなプレイが聴かれるが、ここでは一音一音じっくりと綴るかの如く、まるでベテランのような風格さえ漂わせ、スケールの大きいフレディに変貌している。

ハバードは自己のベスト3の一枚に本作を挙げている。何がそうさせたのだろう。理由は「メンバーを自分で決められ、すべてをコントロールできたから」という。それが率直な答であろう。ポイントはメンツである事は誰の目にも明らか。所謂「1500番」台の匂いがする者はいない。総て「4000番」台、つまり脱(非)ハード・バップ陣容である。この録音はフレディがジャズ・メッセンジャーズ(JM)の入団直後行われ、後年、発掘された‘ヴィレッジ・ゲイト’のライヴものがリリースされるまで、ハバードとショーターの初顔合わせとされていた。
もう一つの注目点は、3ヵ月前に“OLE / J・COLTRANE”で初競演したばかりのE・ジョーンズを起用している点である。“OLE / J・COLTRANE”はコルトレーンとドルフィーの二枚看板が評判でかって、ジャズ喫茶の人気盤であった。まだ新人でありながらハバードもこのセッションに呼ばれ、二人に一歩も二歩も引きながら「第三の男」の役割を完璧に果たしている。LPの収録時間の制限でオリジナル盤から外され、1970年に未発表集としてリリースされた”THE COLTRANE LEGACY”のなかで初めて日のを見た曲、当初は”Untitled Original Ballad”とされていたが、後に判明したビリー・フレイジャーという人物の”To Her Ladyship”ではコルトレーンとドルフィーに位負けしないバラード・プレイを聴かせている。本”READY FOR FREDDIE”のリズム・セクションもこの”OLE”と同じマッコイ、A・ディヴイス、エルヴィンなんです。バーナードのユーフォニウムはおそらくJMと違うメロウなサウンドを狙ったのであろう。

さぁ、準備は整った。あとは曲だ。トップのハバード作"Arietis"はディビスの流れるようなベース・ラインに乗って、ts、euphの助奏を受けながらハバードのtpが滑らかに気持ちよく響き渡る。余力を残しながら朗々と歌うハバードに進境著しいものがある。2曲目の”Weaver Of Dreams”はバラード風から始まり、途中からイン・テンポに変わり、ハバードのペットの音色の良さが際立つワンホーン演奏です。次はショーターの”Marie Anhtoinette”。のりの良さでは、これが一番。ハバードとショーターの相性の良さが発揮されている。

B面には、ハバードのオリジナルが2曲。”Birdlike”とは、ハバードが当時、Sax的フレーズをtpで鳴らそうとしていたことと同時に、パーカーのように吹きたいとの願いが込められているのでしょう。次の”Crisis”は後にジャズ・メッセンジャーズでも再演されている。この2曲は、以前のように単にバリバリと吹くのではなく、なにか今までとは違う自分の新しいスタイルを深く模索しているように聴こえる。

 

 

カヴァに映る23歳の笑みが「ベスト・アルバムの一枚」を物語っている。青摺りの良いカヴァですね。