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DUのウォントリスト(先々回 Up)の中の”A NEW CONCEPTION / SAM RIVERS”の所有盤は掲載されている青白LIBERTYラベルのMONO盤BLP4249で、てっきりSTEREO盤と思い違いしていた。いつ頃、どこ(多分、東京)で購入したか、ハッキリした記憶がない。カヴァの右上にやや剝がれた個所があり、プライスも4~5千?が付いていたけれど、珍しかったので、割り切って購入した。でも、それが正解、その後、一度も見かけていない。そしてこのような形で現れるとは(笑)。
”FUCHSIA SWING SONG”、”CONTOURS”に続く三作目、意表を突きスタンダード・ナンバーばかりの構成。録音された1966.10.11辺り、リバティの傘下に入った時期と重なり、ライオンはプロデュースに参加していたのだろうか? アヴァンギャルド色の濃いリバースにしては飄々と演じている。ただ、一曲にts、ss、flの3本を入れ替り鳴らされたりすると、下手物のイメージが映り、メリットがあるとすれば、こうしてレア盤扱いに名を連ねるぐらいだろう 😢
前2作は、内容が濃く、特に”CONTOURS”は個人的にBLUE NOTEレーベル、最大の「隠れ名盤」の一枚と思うだけに、比較される運命は否めない。なお、4作目"DEMENTIONS & EXTENSIONS"はリアルタイムではリリースされず、後年、日の目を見ている。
改めて聴き直すと、予想外の展開が待っていた。「音」です。端から録音からカッティングまで全てGELDERが担っていると思い込んでいたけれど、聴き慣れている「音」とどこそこ違っていた。スカッとした混濁感のない、空に例えるならば「快晴・真っ青」に少なからず引っかかるものがあったのも事実。ギャルパーのpなんか、鼻詰まりせず快適に鳴っている。でも、100%思い込んでいるので「イャ~、ゲルダーも時代の変化に上手く合わせたのか、この音、いいね」なんて、呑気に納得していた。
1ミリの疑念を取り除くため最後の最後、レコードのラン・オフ部分を見て愕然とした。あるはずのVAN GELDERの刻印が無いではありませんか!慌ててウォントリストで確認するとVAN GELDER印と明記されている。という事は所有盤は再発盤となります。でも、なぁ、リバースには悪いけど、もうSTEREO時代にこのレコードのMONO盤をわざわざ、別の人がカッティングして再発するかな? いやいや、何事も決め付けはいけませんね、あるからレア盤としてリストに載っている、と考えるのがノーマルです。
屁理屈を言うつもりはないけれど、何も知らずに聴けば大半の人達が「BNのGELDERのMONO盤って、やはり良い音だね」と答えると思う。ゲルダー特有の 毒気は薄いけれど、この見通しの良い音、好きです(笑)。チャンスがあれば、刻印有り・無しを聴き比べたい。