無期、懲役の話ではありません。
労働契約法という、平成19年にできた比較的新しい法律が、平成24年8月に改正、その8ヵ月後の施行から半年経ちました。
改正の主要点は、雇用期限の決め方にあったようです。
期限を区切られた有期労働契約を繰り返していると、もうあなたの契約は更新いたしませんといつ言われるか、ずっと不安が付きまといます。
この「雇止め」に対する不安を解消するための改正だという説明には、どこかほっとするものがありました。
改正法では、連続5年を越えて働いた有期雇用労働者が申請すれば、会社はその人を無期雇用つまり正社員扱いにしなければならないと定められました。
しかしこれは、5年以内で雇い止めにしてしまえば無期雇用にしなくてもよいということの裏返しだったことに、みな気付いていたでしょうか。
I Tのおかげで、雇用の個別管理はごく簡単に機械的にできてしまいます。
Aさんの5年めはX年Y月、その前に打ち切り、いつまでに通告と、すぐ表に現れますから、一切頭を使う必要はありません。
法に則った規定どおりのことを機械が通告するのだと思ってしまえば、情も何もいりません。
無期雇用になるためには労働者自らがその意思表示をしなければならないということも定められています。
意思表示をしたとたんに、店長さんの目が冷たくなってくるかもしれません。
検討しておくと返事は貰っても、それが聞き入れられるかどうかはわかりません。
連続で3年間働いても、その後に6ヵ月以上の空白期間があると、またゼロから出発ということになります。
これを繰り返せば、いつまでも有期雇用労働者でいられるかわりに、無期雇用になれる日は無限の彼方にしかありません。
四季の無くなりかけている極短なこの秋に、「無」という文字の、無限のむなしさを感じています。