犬を放しておくと自主散歩に出かけ、その先で迷ってしまうという話をラジオで聞きました。
自主散歩という言い方に、奇妙な引っ掛かりを覚えました。
自分の歩いてきた道がわからなくなるという犬は、半分犬ではなくなってしまっているのではないかと思ったからです。
犬は、自分で歩き回るのが本性ではないでしょうか。同じところにイヌからそういう名前がついたのではないかと想像しています。
自主的行動で本性を失ったことを自覚する、これは面白い現象です。
猫はいつもじっと寝ているからネコであるのに、いまでは猫は自由に歩き回り、犬は縛り付けるか連れ歩くかが飼い主の務めになり、犬と猫のすることが逆転してしまっています。
「いぬのきもち」という雑誌や公式サイトがあります。
人間は、人間同士のきもちも十分わからず、他国、他民族のしていることにやたら難癖を付けたがるのに、いぬのきもちをこうだろうなどと言ったり書いたりするのを見て、犬はどう思っているのでしょうか。