養生も 浮世も座頭の 丸木橋。
渡る心が よき手引きかな。
-白隠禅師-
「いやな渡世だなぁ」の座頭市は、勝新太郎さんのはまり役でございました。
座頭。つまり、眼の不自由な人に習え。ということでございます。
座頭が丸木橋を渡るように、まぁそうあわてず、そろりそろりと、慎重に驕ることなく渡ろうとする心構えが、世の中を渡る手引きとなりましょうぞ。
目明きは、それを当たり前と考え、座頭に情けをかけたりもいたしますが、過信していると、情けなくも高転びに転ぶことも多いもんでございます。
特に高所恐怖症の目明きであれば、すくんでしまう丸木橋も、座頭の心持なれば、眼に頼らず、平常心を保てますわな。
かっこつけてる場合やおまへん。
この世に生を受けた限りは、わたしらみんな渡生人。
一寸先は誰にもわかりゃしません。
へたりこんでも、座頭に習い、ちょびっとづつ渡りましょか。