南無煩悩大菩薩

今日是好日也

ユートピア。

2008-03-03 | つれづれの風景。

眼視(めみ)も鮮やかな朱の世界で、純白のしもべが守るその扉の奥の世界。


ユートピアとは、語源的には、ノープレイス=何処にも無い場所、を意味するという。

多少なりとも誰でも人はそれぞれに思い抱くユートピアがある。

何処にも無い場所を切望するという、一見矛盾するその感性は、思う道理と現実の成り行きの狭間で、起こる狂気を緩和させる知恵であるかもしれない。

軽いユートピアは、重い現実に遭遇した我が精神を守る消炎剤として、機能しているような気がする。

その扉の向うには、なにがあるということでもなかろう。

朱に瞠目し、純白に慧眼することさえできれば、何処にも無い場所という、場所に佇むことができるはずではないか。

押し付けられるものでもなければ、押し付けることもできない。



珠には、自分を騙し騙し生きるのも知恵である。

今日の賢さは、明日の愚かさであるかも知れないから。

真白の狐は、そのように誘っているようだ。

コメント
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