私がまだ、紅顔の美少年だった頃。
あるきんかんあたまに、こういわれたことがあります。
「君のは青臭い書生論です。」
社会のなんたるかの実際を知らず、ろくな経験も無いにもかかわらず、えらそうに酒の力を借りながら理想を語ったのでありました。
ぐうの音もでない。とはまさにこのことかと思った次第。
この、きんかんあたま!と負け犬は遠吠えをしたわけです。
金柑の形は、すこし楕円にのびており、このような頭の持ち主は案外侮れない。
というような思いが、そのころからなんとなくあるのでございます。
金柑は、春先の風邪などにもよく効くと申します。
芽吹く頃の青臭さにも効くのでございましょうや。
未だその観拭えずの我が身であればこそ。
きんかんを見るにつけその効能に感謝するのでございます。