けっこうけだらけ ねこはいだらけ しりのまわりはくそだらけ。
みあげたもんだよ かえるのしょんべん。
寅さんじゃありませんがね、口上のひとつも唸ってみたくなるのが、小春日和の日没のそのまえ。
影を長く落としましてね、あの世とこの世を透き通らせた老婦人の夏になっちまった蓮の草がね、それこそコロラドあたりの荒涼とした現地の岩みたいな色んなった、水草の枯れてひしめくインデアン・サマーってなぐあいなありサマーで、ニッポンの小春が暮れるんでございますよ。
一度が二度、二度が三度、という具合にお寒くなってくる。
がまの油じゃ治らない。馬鹿は死んでも治らない。
あっしがね。よろしゅうござんすか?とたずねますとね。
ああ。いいとも。と答えてくれるような気がするってぇもんだ。
この小春。まとめて買っていきなよ。おばちゃん。
おい。そこの青年。
くそばばぁ。はいけねえよ。そりゃいけねぇ。まがりなりとも自分を生んだ親だ。
せめて、くそかばばぁかのどっちかにしねぇとバチがあたらぁ。
この小春、そんじょそこらの小春とはものが違う。そうだろう?おっちゃん。
どうだい。もう店じまい前だ。やけのやんぱち海のかんぱちってもんだ。
まとめてのしつけて折り詰めにしてもっていくかい?お嬢ちゃん。
なやむこたぁないよ、そこのじいさん。
入れ歯みたいなもんだ。はずれたらまたはめりゃいいさのすててこおむすびよ。
今かわなきゃ損するよ。小春はあっという間だ。
お。そこの兄さんいきだねぇ。どうだい?
なんだ。かえりか。