鮎は瀬になじみ、鳥は木に止まり、人は情に安らぐ。
子育てにおいて、その子を一番不幸にするのは、なんでも欲しがるものを与えてしまうことだという。
情(じょう)には棹差す気概も大事だと思われる。人はパンのみで生くるにあらず。
掛け値なしに発露する情というものもあろう。
憩う。という一時にしても、通じ合う情があってのこそ。
過分はよろしくないが、情の一分にかたじけのない勇気をもらうことは多い。
無骨に成り行く風景に、打ち振るうが如く、忽然と実りをむすんだ赤い果ひとつ。
幾ら取り繕うとしようが、理屈で無いものがある。
いわんや。
情にあり。