南無煩悩大菩薩

今日是好日也

我慢は学びだ。

2014-04-12 | 古今北東西南の切抜
(photo/Ken DOMON)

心理学者ウォルター・ミシェル氏が考案したマシュマロ実験というものがある。

幼年期の子供たちにマシュマロ1個をもらってすぐに食べるのと、15分間我慢した後に2個食べるのと、どちらかを選ばせるという実験で、①マシュマロ1個を即座に頬張る、②少しの間我慢する、③15分間我慢するという三つの行動パターンでは、おおよそ均等に人数が分散するという結果が出た。
何年もの後、30代になった被験者のほぼ全員を再び調べた。すると子供のころに15分間ずっと我慢して高い認知制御(意志の力や自制心)力を示したグループの方が、すぐに食べてしまったグループよりもはるかに健康状態がよく、収入が高く、法律を守る傾向が強かったそうだ。

事実統計分析からも、子供が後に経済的に成功するかどうかを予測する指標としては、IQ(知能指数)、社会階層、家庭環境よりも自制心の強さの方が有用だと判明していると、EQ(心の知能指数)を提唱した心理学者ダニエル・ゴールマン氏はものの本に書いている。

つまりは、こういうことだろう、高い認知制御である意志の力や自制心に劣ると、何かに注意を向け、相手の立場に立って共感するといった、社会的な感受性に欠ける。

ダニエル先生はこうも書いている。
「社会的な感受性に欠ける人物は、すくなくとも他人の目からは容易にそうと見分けがつく。彼らは愚か者である。専門能力の高い人物が、他人に対して威嚇、締め出し、えこひいきなどを行う一方、それを指摘されると責任逃れ、激高、逆恨みといった態度を示す。あえて嫌な奴として振る舞っているのではない。自分の欠点に少しも気づいてないのである」

・・・。

親は子になるべく人並みのことはしてやりたいと思う。ただどうしてもそれができない場合もあろう。それでも、我慢する子はとても大事なことを学んでいるのだ。
コメント (2)
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