小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

新しい写真への挑戦 ~ボケボケ写真への挑戦~その3~

2015-11-12 20:32:11 | 日記
新しい写真への挑戦 ~ボケボケ写真への挑戦~その3~

2015-11-11

ボケボケ写真への手がかりをつかんだと思ったので、このフィーリングでバラに挑戦してみようと思いました。新宿御苑にはまだなごりのバラが咲いているはず。フルサイズ・ボケボケ用レンズとして、
Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4
Pentax FA77mm limited F1.8
フォクトレンダーNokton 50mm F1.5
の3本を、Sony α7RIIに付けて比較してみました。

思った通り、新宿御苑にはまだバラが半分ほど咲き残っていました。ボケボケ写真の結果は期待通りには行きませんでした。ここでは境界線があって、充分バラに近づけません、よって、距離をおいたボケボケ撮影ではできることが限られてしまいます。以前の生田バラ苑でのアプローチ以上のことは出来ませんでした。
  帰り道、富士フォトギャラリー新宿で面白い写真展示会に出くわしました。この展示会とそこで買った写真家の本とが、当方の写真に対する考えにかなりのインパクトを与えてくれました。これは最後に書きましょう。


新宿御苑は新宿門から入ろうが、大木戸門から入ろうが、入るといつも新宿御苑はなんていい所なのだろうと思うのです。何がいいかというと、この公園に集う人達が皆楽しそうな顔をしているからです。公園全体に楽しそうな雰囲気が溢れているからです。むろん、この公園は世界に誇れる公園だと思います。大都会に存在するこんなに素晴らしい公園は世界中探しても無いのではないかと思うのです。自然教育園さんには申し訳ありませんが、こちらは子供たちのはじける笑いも、大人の解放された顔もありませんから。なんたって、教育園ですからね。
  さて、今日はバラ苑が目的ですから、大木戸門から入ります。


Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4


Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4

上の写真で、カモにだけ焦点を合わせて、あとでトリミング拡大しています。Sonyα7RIIなら望遠レンズがなくても、これくらいは撮れるのです。前ボケもいれてます。


Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4


Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4

だれでも撮りたくなるシーンです。みんな同じところを撮るのですが、このシーンで新宿御苑フォトコンテスト金賞を取った方がいらっしゃいます。その方はすごいなと思います。一方で、この写真だって十分魅力的じゃないか、そこに魅力的シーンがあることが重要で、あれこれ策をろうしてコンテスト用に写真を撮るなぞ、どうでもいいことのような気もするし。これはまた後で議論しましょう。


さて、バラ撮影の一番バッターはContax/Zeiss Planar 85mm F1.4。バラは写真を載せ始めるときりなく枚数が多くなるので、とにかく捨てまくって、1レンズ数枚としました。





一応、バックの配色に気を使っているのですが、違う色をバックに持ってきたくても、このバラ苑の配置ですと、これがほとんどできません。先に述べたように、境界線があって近かづけないので、一つのバラのなかでボケをとることができません。当方にはこれがせいいっぱいです。

次は、フォクトレンダーNokton 50mm F1.5。 標準レンズですが、フォクトレンダー・クローズフォーカス・アダプターを使うと、中望遠Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4より近づけるので、状況はContax/Zeiss Planar 85mm F1.4とほぼ同じです。













最後はPentax FA77mm limited F1.8。バラに飽きたので、しばらくプラタナスの葉っぱで遊びます。






バラにもどって、奇跡のレンズ、Pentax FA77mm limited F1.8。 ちょっと、やる気が戻ります。













当方のイメージでは、もっともっとボケなければいけない。写真の持つ情報をどれだけ残して、一点にフォーカスを絞るか。そのバランスを探りたいのです。8,9割はボケのなかで、写真情報は無く、色と形が混とんとしている。しかし、よくみるとボケの中に少し垣間見ることが出来、想像力を刺激する。一方で1,2割はくっきりと主張が表現されるという感じを出したい。その割合を探りたいのです。
  だめか、この3本のレンズでは無理か? いよいよ、中国製F0.95を買わねばならないのか? 中判用レンズをつけるとどうなるのだろうか?


そのまま、バラ苑をはなれて、Pentax FA77mm limited F1.8で撮影を続けます。







この後、Contax/Zeiss Planar 85mm F1.4に戻して、水をとりながら、日本庭園に向かい、菊の展覧会を見に行きました。これがすごいのですが、今日のテーマとは関係ないので、カットします。





カリンの実。昔、中学・高校の校庭になっていた、カリンの実を取って、砂糖漬けにして食べたことを思い出します。カリンはのど飴に使いますが、この時の美味しい記憶があります。

さて、富士フォトギャラリー新宿で開かれていた、2015「虫メガネの世界」のお話しをしましょう。Luna・Cosmos写真展、2015「虫メガネの世界」というタイトルですが、詳細はよくわかりません。T. Salon YY (マクロ写真会)というのがあって、竹村嘉夫(日本自然科学写真協会名誉会長)が写真指導するサロン風クラブで創立平成15年、会員22名と書いてあります。
  当方はマクロ写真が寄って立つところですから、じっと見て見る必要があります。展示してある写真は撮影OK,公開OKということになっている。こうあるべきです。なんでも著作権とか言って撮影禁止とする風潮はバカバカしい。
  下の写真は、なにか当方の狙っている写真にとても近いと感じたのです。おそらく、見手にとっては説明を見ないと、何を撮っているのかわからないでしょう。写真によっては生物なのか人工物なのかもわからないかもしれません。

下の写真を見てください。当方が、このパターンと色に魅かれて、写真展にも出した、ゲンノショウコの花です。この写真の様に部分にしてしまうと、何をとっているのかわからなくなります。当方はこの部分に魅かれながら、一部分にすることをためらっていたわけです。 魅かれるところは同じでも、はたして、部分がいいのか、全体がいいのか?これが一つの大きな問です。
当方が焼き物に展開するとしたら、やはり、それが何かを全くイメージできない単なるパターンでは使う気になりません。ヒトはまったくわからないものに対しては情緒が生まれないからです。もし、単なる色と形のパターンで感情を動かすには、現物から得た写真で有る必要は無く、一旦そのイメージを心にしまって、新たに色と形を創造し行く必要があります。その形そのものでなく、<心の感動>を色と形で表わす必要があるのです。
  ここに、絵画と写真の大きな違いを見出します。
この竹村嘉夫という方はきっと名だたる人なのでしょう、当方は写真の世界はよく知らないのですみません。この方が書いた、写真・de・アラカルトという冊子を買いました。その中でAICの三条件という項があります。フォトコンテストに入賞するにはAttention, Interest, Convinceの三条件が必要である。そのまま訳せば注目、興味、説得ということになります。もともとは経営・広告の分野でAIDCAの法則というのがあり、竹村氏がここから作ったプレゼンテーションスライドの条件として作ったものだそうです。これがフォトコンにも当てはまるとしています。
  ここで、いままで漠然と感じていた世の中で評価される写真と当方の写真との距離の理由が明確になりました。写真とは見手に対するプレゼンテーションなのである。じつはこれは考えたこともありませんでした。商業写真が見手に対するプレゼンテーションであることは当然ですが、写真の世界で芸術写真と商業写真を同じ土俵で扱っているとはおもいませんでした。絵でも音楽(クラシック音楽)でも、芸術というのは注目、興味、説得というのを第一に考えて作成するものではありません。世に受け入れられて、長く愛されてきた芸術作品は結果的に注目、興味、説得を持っているものですが、作家がそれを最初から狙うことが長く愛されるものを作ることにはならないことは、これまでの歴史が物語っています。まず第一は、自分の心の中に待っている物を表現することにあり、結果として、注目、興味、説得が生まれたものが残ってゆくのです。ソ連・共産主義で、わかりやすい大衆芸術を作れという国命をだしたところ、ほとんどの芸術家は亡命して逃げ出しました。残ったのはショタコービッチであり、逃げ出したのはストラビンスキーです(当時ロシアに住んでいたわけではないので、いい例ではないですが)。

絵画を画くときに、注目、興味、説得をまず考えるなどということはありません。竹村嘉夫が指導するT. Salon YY (マクロ写真会)の写真展には明らかにプレゼンテーションという考えが色濃く見えます。当方がゲンノショウコの花を部分に出来なかった理由が、明確になったと思います。マクロ写真会はマクロという特殊性から注目、興味、説得を引き出そうとしています。最初この写真展を見た時に、これこそ当方の目指すところだ、この会に入ろうとさえ思ったのですが、よくその背景をみるに、よって立つところが違います。
  
  とても不思議に思います。商業写真のコンテストならその意義はよくわかります。趣味の連中を集めたフォトコンテストとは一体何なのでしょうか? それで優勝した写真が高値で売れるわけでもないし、優勝した人がそれによって商業的に注目されるということなら、その人は商業写真の世界に入るということで、なんで商業写真のコンテストじゃいけないのでしょう? 商業写真じゃない芸術写真だというなら、フォトコンテストは芸術写真家になる登竜門ということになりますが、なんで、商業写真の三原則を掲げた審査員が審査しているのでしょうか? デザイナーが絵画の審査をしているようなものでしょう。
膨大な数の写真ファンの出口を作ることが、カメラメーカーの存続を担うと言う理由で,なんとなく出来上がった、ビジネスでもなく、習い事でもなく、芸術でもない、不思議な世界であることがはっきりしてきました。 
この世界に文句をいうつもりはありません。虫メガネの世界も当方の住処で無いし、結局、今まで通りやって行くしかないということになります。<注目、興味、説得>を第一には考えずに、自分の心の表現を追求するしかありません。それが<注目、興味、説得>を促せば、それはラッキーと喜びましょう。



オオイヌノフグリ

この絵はすきですよ。


当方の展示会にだしたゲンノショウコの写真。


マクロ写真会のゲンノショウコの写真

この時買った本、<虫メガネの世界III>からコピーしたので、画像が汚くてフェアじゃないですが、上が当方の展示会に出した写真。下がマクロ写真会の写真。


ヘラオオバコ


柿のヘタ


モウセンゴケ


丸いモウセンゴケ


プラスチックの包装紙

モウセンゴケはオリンパスのコンデジ、オリンパスSTYLUS TG3で撮影しているそうです。 水深15mmまでOKで、以前当方が言っていたフォーカスブラケットモードが装備されていて、フォーカスを振らしながら連写して、良いショットをピックアップすることも、幾つかのショットを合成することもできる。上のモウセンゴケは数ショットの合成で、実態ではありません。オリンパスSTYLUS TG3は4万円で買えます。 水中撮影もきれい、リングLEDライトも付けられる。すごいの一言です。アクション動画のGoProがすごい日本もしっかりしないと分かったような顔していっていたコメンテーターはこのオリンパスSTYLUS TG3を知っているのかね?

光が充分あれば、A4版にプリントして、充分見られます。コンデジの素人さんが、Facebookでやたら接近撮影をアップしてくるのはこのカメラのおかげですよ。たまたまいた方おそらく会員さんが、今度オリンパスOM-D E- M1にもこのフォーカスブラケットモードがファームアップされると言っていました。ウーム、オリンパスOM-D E-M1を処分できなくなってしまいました。負けましたよ、オリンパスさんの勝ちです。



コメント
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