俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

雪吊

2018-12-18 | 俳句・冬・人事




そこここの雪吊の苑私す




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庭木などの枝が雪の重みで折れるのを防ぐため、幹に沿っ

て一本の支柱を立て、縄を八方に張り渡して枝を吊ったもの

をいう。







南湖近くの翠楽苑を訪れた。

ここは、白河藩主松平定信によって作庭されたもので、松楽

亭には茶室がある。







茶室では呈茶を受けられ、庭を眺めながら、練り菓子と抹茶

をいただいた。

 





晴れると、雪吊の一本一本の縄がはっきりと見えて、青空を

バックに美しい姿となる。







苑にはあちらこちらの木に雪吊がなされていた。

誰も客が入ってこなかったので、雪吊の庭園を独り占めでき

た。






茶室より見ゆる雪吊数へけり




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菰巻

2018-12-17 | 俳句・冬・人事




束の間の朝の日差しや菰巻に




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「菰巻」は、江戸時代から大名庭園で行われてきたとされる

害虫駆除で、マツカレハの幼虫を除去する方法の一つを

いう。








これに対し、「藪巻」は雪折れのおそれのある低木や竹など

を、むしろや縄で巻いて損傷を防ぐものをいう。







松の木に短い幅で巻かれているのが菰巻で、低木などの

上から下までぐるぐる巻きになっているのが藪巻なので、

混同しないようにしたい。







福島県白河市の南湖を訪れた。

湖の水は工事のため抜かれていて、涸れた湖のようになっ

ていた。







その湖畔の松に菰巻がされていた。

初めは曇っていたが、束の間の朝日が菰巻に差していた。






菰巻の松の連なる湖畔かな




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日向ぼこ

2018-11-30 | 俳句・冬・人事




本を手にうとうととして日向ぼこ




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日の当たる所に出て暖まることをいう。







日の短い冬は、日当たりの良い縁側や公園のベンチなどに

出て暖をとり、日光浴をする。







僅かな日に温まろうとして昼を過ごすのは、至福のひと時で

ある。







日向ぼこをしながら本を読んでいると、ついうとうととしてくる。

それもまた日向ぼこの醍醐味である。






日向ぼこ鳥語に耳を傾けて




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障子

2018-11-20 | 俳句・冬・人事




白障子開けて掛軸見られけり




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日本座敷の内外を仕切る建具の一種。

片側にのみ和紙を貼り、光を採り入れつつ寒さを防ぐ。







障子の種類は多いが、現在では採光のできる明り障子を

指す。

障子を通してほのかに光の入った座敷は明るく感じられる。







元庄屋だった屋敷の白障子を開けると、座敷の奥の床の間

に掛かっている掛軸が見られた。






髷を結ふ男ゐさうな障子かな




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豆撒

2018-02-03 | 俳句・冬・人事




豆撒の力士遠くへ投げにけり



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節分の夜に、「福は内、鬼は外」と唱えながら豆を撒き、これ

を縁起物として人々が取り合う。

宮中の「追儺」が民間に広まったもので、神社仏閣ではその

年の干支に当たる年男、年女や有名人が豆撒をする。







深大寺の豆撒を見に行った。

僧侶や裃を着た人たちの後から豆を撒く力士がやってきた。







豆撒の前に、太鼓クラブの小学生達が元気よく太鼓を演奏し

ていた。







豆撒が始まると、力士は豆を思い切り遠くへ投げていた。







投げられた豆を一つだけキャッチした。






豆撒を諸手を上げて待ちにけり



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