俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

日傘

2019-06-06 | 俳句・夏・人事




語りつつ歩幅合わせて白日傘




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強い日差しを避けるためにもっぱら女性が用いる傘をいう。







江戸時代には紙を張った日傘(ひからかさ)が流行した。

明治時代になって西洋式のパラソルが伝わった。







最近は、紫外線をカットするUV加工したものや晴雨兼用、

また男性用のパラソルが出回っている。







吉野ヶ里遺跡を語りつつ、歩幅を合わせながら歩いて行く

日傘が見られた。






復元の弥生の住居日傘きて




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新茶

2019-06-02 | 俳句・夏・人事




売茶翁のことを聞きつつ新茶かな




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その年の新芽で製した茶をいう。

走り茶ともいい、最も早い芽で作ったものを一番茶と呼ぶ。

香りのよさと味のよさで珍重される。

前年の茶は古茶と呼ばれる。




肥前通仙亭



佐賀の通仙亭を訪れた。

ここは、佐賀出身の煎茶の祖、売茶翁の情報発信を行う

施設で、煎茶を体験することもできる。




売茶翁(若冲筆)



売茶翁は(1675~1763)は佐賀に生れた黄檗宗の禅僧で、

月海と称して全国を行脚し、晩年、還俗して高遊外(こうゆう

がい)と称して京都に通仙亭を構え、売茶業を営んだ。




偶成(売茶翁直筆)



高僧がその身分を離れ、布施も取らず禅を説く姿に、京都の

人々は尊敬の念を抱き、売茶翁(ばいさおう・まいさおう)と

呼んで慕ったという。

話が上手な売茶翁のもとには、池大雅、与謝蕪村、伊藤若冲

などの文人が集い、多くの肖像画を残した。







売茶翁を紹介するビデオを見たり、店主に話を伺ったりし、

「売茶翁」という銘の八女茶の新茶を作法に従っていただい

た。

一煎目は香りよく、深みのある初めての味に感動した。

三・四煎目を戴いたあと、茶葉を器に移し、昆布だしをかけて

全てをいただいた。






走り茶の二煎三煎戴きぬ




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噴水

2019-05-13 | 俳句・夏・人事




噴水の常に一定迎賓館




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公園や庭園などの池の中に造られた水を噴き上げる装置。

また、吹き上がる水をいう。







イスラム教のモスクや古代のキリスト教聖堂の前庭に設け

られたものは、身を清めるという実際的な目的を持つが、

一般的には乾燥した気候のなかでの潤いを演出し、彫刻と

合わせて装飾的な効果を上げようとするものが多い。







古くは前3,000年のものがメソポタミアで発掘されており、

古代ローマ時代の遺構も数多くみられる。







トレビの噴水やスペイン広場、ナボーナ広場などの噴水が

有名。







初めて迎賓館赤坂離宮を訪れた。

内部は天井画、彫刻、シャンデリア、絨毯、タイル、石柱など

どれをとっても最高級品で、海外の要人を持て成す四つの間

はベルサイユ宮殿のような豪華なものであった。

特に花鳥の間の四季折々の花や鳥を描いた七宝焼を観られ

たことは嬉しかった。

庭園に出ると、噴水が止まることなく、同じ強さで出続けて

いた。






午後の日に噴水殊に輝けり




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風鈴

2018-07-15 | 俳句・夏・人事




風鈴や昔名主の軒に鳴り



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鉄、ガラス、陶磁器などの小さな鐘形の鈴で、内部に舌が

あり、短冊などを吊り下げる。







軒下や窓に吊るすと風に揺らいで涼し気な音色を響かせる。







風鈴を連ねて町を回って売り歩く風鈴売りは江戸時代中期

に登場したが、現在ではほとんど見られなくなった。







昔、和泉村(現、東京都狛江市)にあった庄屋を移築した

建物の軒に吊るされた風鈴が鳴った。






茅葺の家の風鈴聞かれけり



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梅干

2018-07-10 | 俳句・夏・人事




大笊の六つに梅の干されあり



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梅の実を塩漬けにし、夏に筵や笊などに並べて天日で干し

た保存食をいう。







数日干して梅に皺ができると完成である。







一般的には梅酢の中に塩揉みした赤紫蘇の葉を加える。







畑の脇の台に六個の大笊が並べられ、梅が干されてあった。

梅には夏の強い日が当たっていた。






干梅や時折使ふポンプ井戸



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