毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「玄関先に蝉がいた」 2014年8月25日(月)No.974

2014-08-25 14:18:32 | 日記

玄関先にクマゼミがいた。

いや、「落ちていた」と言ったほうが正確だろう。

大阪市は自然環境が豊かだとは到底言えないが、

蝉だけは実にたくさんいる。

近年、特にクマゼミが多い。

私のマンションでも、

7月になるとクマゼミは早朝6時前からジイー、ジイジイジイーと大声?で鳴き散らかす。

虫取り網とカゴを持った子どもの姿を見て、

遊びに来た留学生が珍しがっていたが、

大阪では珍しくも何ともない日常的な夏の風物詩である。

 

そういうわけで、マンションの廊下によく蝉がひっくり返っている。

力尽きて死んでいるのかと思って拾い上げると、意外とモニモニと這いだしたりする。

今日の玄関先のもそうだった。

買い物に行くときだったので、そのままシャツの腕にくっつけて、

マンションの外で放してやろうと思った。

しかし、シャツにしぶとくくっついて、引っ張っても取れない。

仕方なく一緒に買い物に行った。

大阪のおじさんやおばさんは、

腕や背中に蝉を這わせている人間を見たからとて、全く動じない。

ただ一人、箸が落ちても笑い転げる年代の若いお母さんが

大いに反応を示したのみである。

 

家に戻っても蝉の散歩はまだ続く。

 

ひたすら腕を登ってくる。蝉の足の先が肌に食い込んで、ときどきチクチクする。

 

バルコニーに出した。やっぱ外が好きだろう。

 

彼女(終始沈黙しているのでメスだと判断)は上り続ける。

 

ふと、我が孫のハイハイ姿を想起する。

 

とうとう、ハンガーの付け根まで到達。

 

さあ、どうする?

 

おっとー!

「とおくまで行くんだ、ワタシの好きな人々よ」ということか。

 

こうなると、がんばれ!チャチャチャ!と応援するしかない。

 

この物干しざおは古い。

しかし、蝉にしてみればとっかかりがつかめるほどザラザラしてはいない。

 

この状態で数分。もはやこれまでか。

 

どうせ死ぬならこんな人工的でツンツルテンなベランダより、

フワフワな草の上がいいに決まっている。

5分後、

私はそう思って、及ばずながらお手伝いをすることにした。

彼女を掴んで、空中に投げたのである。

(こういうの、以前も何度もしたなあ)

 

彼女は飛んで行った。

飛べるなら、さっさと飛べばいいものを。

もう、体力的にスタートの馬力がないのだろうか。

 

バルコニーの下は、折りしもさっき草刈をし終えたばかり。

まだ大阪は暑い。

どこかで蝉が鳴いている。

 

 

コメント (4)
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