毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「ガザの証言ーイスラエルは我々にどこに行ってほしいのか?」2014年8月5日(火)No.957

2014-08-05 19:57:27 | 反戦

ガザの証言(岡真理さんから)

『イスラエルは我々に死んでほしがっている、
だが、我々はここにとどまる。』

ラーミー・アル=メガリー
エレクトロニック・インティファーダ
http://electronicintifada.net/content/israel-wants-us-die-we-will-remain/13613

2014年7月21日

このちっぽけなガザでは、どこにいようと安全などという感覚はもてない。

何もかもがすぐそこだ。


とりわけ、絶え間なく聞こえてくるイスラエルの爆撃と砲撃がそうだ。



それは、こんな家だった。ガザのどこにでもあるような家。


月曜の朝早く、ハーン・ユーニスにあるアブー・ジャーミー家の自宅をイスラエルが破壊し、

少なくとも家族26名がこの世から消し去られたのは。


 

ここ、この家にいるぼくらと同じように、そこでも、男たち、女たち、老いも若きも、

そして幼い子どもたちが身を寄せ合っていたのだ。

ぼくたちが家を離れたのは、マガージーと近隣のアル=ブレイジュ難民キャンプの住民に電話があり、                                        

録音されたアラビア語のメッセージが、直ちに家を離れろと命令し、                                                                    

さもなくばガザ市東部のシュジャイヤ地区と同じ運命に直面することになると警告したからだ。

日曜日に起きたイスラエル軍の集団虐殺で[シュジャイヤでは]少なくとも66名が亡くなり、                           

数百名が負傷した。

月曜になると、14日間にわたるイスラエルの攻撃の死者数は、一挙に500人に跳ね上がった。

家族全員が殺された家庭も複数ある。

負傷者は3000人以上。

死者の圧倒的多数は民間人だ。

そして5人に一人が子ども。

 

どこに行けと言うのだ?


ぼくのホームタウンであるマガーズィはガザ地区中央部の東に位置する。

「我々、ガザの住民が、イスラエル軍[のスポークスパースン]に電話で、                                      

世界でももっとも人口の密集していると思われる海岸地帯にある自宅を離れろと 

慇懃に命令されるなんて、まったくもって不当なことだ」 

とぼくはラジオ番組で語った。

頭に来て、ぼくは叫んだ、「どこに行けと言うんだ?どこに行けと?」

過去2週間にわたって、ぼくら、マガージーやアル=ブレイジュや、 

シュジャイヤやラファやその他、ガザ地区の北部、東部、南部の多くの場所の民間人は、

自宅に閉じ込められて、緊張と不安と、

昼夜問わぬイスラエルの爆撃の耳をつんざくような恐ろしい爆音に一睡もできないまま暮らしていた。



完全封鎖されて

そうだ、どこに行けと言うのだ。

ガザ地区は、ちっぽけな土地だ。360平方キロしかない。

ワシントンDCの2倍かそこら、ロンドンの4分の一程度だ。

ガザの東部と北部の境界にはイスラエル軍が厳重に展開していて封鎖されていて、

エジプトは、イスラエルを経由しない唯一の陸の境界であるラファ検問所を封鎖している。

最後に残された西の境界、すなわちガザの海には、

イスラエルの砲艦がわんさといて、岸に向けて砲撃してくる。

安全なところなどどこにもないのだ、

先週、浜辺でバクル家の4人の少年たちがむごたらしく殺されたように。

だから、どこへ行けと言うのだ。

イスラエル軍は電話メッセージでわれわれに、

海岸部の街であり難民キャンプであるデイル・エル=バラフにお行きなさいと助言してくださるが、

デイル・エル=バラフはマガーズィやアル=ブレイジュからほんの7キロしか離れていない。

しかも、ガザ地区でもっとも人口が密集している地区なのに。



デイル・エル=バラフだって、すでに攻撃にさらされている。

イスラエルの砲艦や戦闘機がこのガザの街も絶え間なく攻撃しているのだから。

どこへ行けと言うのだ?



ガザの住民たちすべてが死と怪我に直面している。

イスラエルは、パレスチナの片隅にあるこの小さな土地のありとあらゆる地域を攻撃しているのだから。

どこにいても安全じゃない。

人々はイスラエルによる7年にわたる懲罰的封鎖のせいで

実に厳しい経済状況のもとで生きてきたから、助けあうことさえままならない。



ぼくらはパレスチナに戻る

家を追われてぼくは問わずにはいられない。

シンプルな問いだ。「どこに行けというのか?

イスラエルは我々にどこに行ってほしいのか?

われわれに死ねということなのか?」

そうだ、明らかに、彼らはわれわれに死んでほしがっている。

彼らの脅しは実行に移された。

シュジャイヤの虐殺やさらなる虐殺が日々、証明しているように。

イスラエルはわれわれにどこに行ってほしがっているのか?

地獄?

いや、われわれが行くのは天国だ、そしてわれわれの魂は、お前たちを呪ってやるのだ、

国際司法裁判所で、あるいは最後の審判の日に。

「国際社会」なるものがこの世でわれわれに正義をなすことを拒否して、

男たち、女たち、子どもたちに対する暴虐非道を犯し続ける占領者の側に依然として立ち続けるならば。


オバマ合衆国大統領は言った、

自分は「イスラエルの自衛権を支持する」と。

オバマよ、お前が言う、この「自衛権」というのは何のことだ?

テレビのスクリーンで、あるいは荒廃し、貧困に喘ぐガザ地区から発信される写真で、

バラバラになったパレスチナ人の子どもたちの姿を見てくれ。


我々はどこに行くのか?

我々はパレスチナに帰る、われわれ自身の祖国、イスラエルが1948年に盗んだ土地。

う今回だけは、どこにも行くところなどない。

1940年代、イスラエルは集団殺戮を行って、祖父たちは避難を余儀なくされたが、

われわれは、祖父たちの過ちを繰り返さない。

ぼくたちは逃げない。とどまり続ける。


■ラーミー・アル=メガリーはガザ地区のジャーナリスト、大学講師。

[翻訳:岡 真理]

コメント (2)
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