7月のイスラエルによるガザ侵攻以来、
深い歌を聞いてもきれいな音を聞いても、それに集中できなくなっていた。
気分転換しないと…、と思うのだが、心が虚ろで楽しめない。
そんな先々週の土曜の朝、
ピーター・バラカンさんの番組の後で、そのままラジオをつけっぱなしにしていたら
遠藤賢二の「44年目のカレーライス」が聞こえてきた。
エンケンはもちろん昔から知っているが、
声が、歌の音色が、こんなにも優しくて清々しかったかと、
思わずラジオにすり寄った。
『恋の歌』というアルバムをすぐ買った。
これは3000円以上するCDだが、遠藤賢二の魂がこもっている。
傍に置いておくと、遠藤賢二が近くにいる気がする。
1.44年目のカレーライス
2.君の朝の挨拶
3.どうしてそんなに可愛いの
4.山葉次郎テイク1
5.友達の女
6.山葉次郎テイク2
7.天使の歌
8.対決! 次郎1次郎2次郎3
9.君を抱きしめたら炊きたてのご飯の匂いがしたよ‥生ギター編‥
10.小さな日傘と大きな日傘
11.恋の歌
12.真央ちゃんと妍児(ヨナ)ちゃん
全部、清らかで美しい曲だ。
ラジオで聞いたとき、勝手に涙が出てきたのは、
心を、柔らかくて優しい魂で洗ってくれたからなのかな。
1曲目「44年目のカレーライス」の歌詞の一部を下に…。
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*今も好きだよカレーライス
でもあまりにも辛いのは
無理して食べなくなったけどね
そう 歌の中の君とは別れ
猫の寝図美は死んじゃったけど
今の女(ヒト)のも美味しいカレーライス
いま猫は居ないけど 野良猫ミイコが庭に来るよ
「よく頑張ってるね ミイコはいいこだね」って言うと
うなずくように目を細めるよ
*それから例えば街の食堂でね
小さな子が大きな声で 「カレーライス」って注文すると
「カレーライス美味しいね 好かったね 有難う」って
抱きしめたくなるよ
そうなんだよ 僕はただ曲を作っただけなのにね
でも嬉しくってね 創ってよかったなって思うんだ
*そう 僕の願いはただひとつ
そんな小さな子に 赤ちゃんに これからの若い人に
美味しい空気を たらふく食べさせてあげたいな
そしてたくさん恋をしてほしい
つくづく思うんだ
この日本はもっと綺麗で
もっと美味しい国だったんだよ
だからもうこれ以上 穢(けが)さないで
*それからね 悲しんでいる暇もないくらい
気のいい音楽仲間や友だちが 次々と死んじゃうよ
でも次は僕じゃないよ
なおさら命を張って 音楽だけは頑張るよ
そしたら 来年の45年目も 2020年の50年目も
僕が白寿となるはずの2046年も
美味しいよ カレーライス
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