↑このかわいい写真はyahooニュースから借りました。
「消費税が10%になっても、幼稚園・保育園料が無償化されたら
働く両親は大喜びじゃないですか」
これは、昨夜ディナーに招待された席での
中国人老師(先生のこと。若くても「老師」です)の言葉です。
その30代の先生(男性)は
5歳の子どもの育児を自分の母親に委ねています。
「もし頼まなかったら、
『どうして私に孫の世話をさせないのか!』と激怒しますよ。」
とのこと。
孫の面倒を見る中国の祖父母の年代は50代~70代です。
日本でこんなことを言う同年代の祖父母は、普通居ませんよね。
保育施設が社会全般に拡充しているからですが、
中国の多くの地域では未だ保育施設はほとんど、或いは全くない状態です。
ここ山東省菏澤市はどうですかと聞くと、
「全くありません」ときっぱり言われました。
お金持ちはベビーシッターを雇うそうですけどね。
保育施設がないことが当たり前の世代は、
「年老いたら孫の世話をするのが幸福なのだ」という伝統的な考えを
自然に受け止めています。
しかし、30代の若いお父さんであるその老師は、
「自分が歳を取って、孫の世話をすることだけが喜びだというのは
なんか、嫌ですね~。自分のやりたいことを楽しみたいです」
と言います。
個人として生きる考えが次第に浸透してきているのを感じます。
その一方、
「日本人は冷たい。年老いた祖父母を放置しています。
中国人には家族愛がありますから必ず同居します。
日本人には真似ができないでしょう」
という声を同世代の別の老師の口から聞いたことがあります。
その皮相で浅薄なものの見方には(よくそれで教師が務まるな)
と辟易するのですが、
中国ではけっこう一般的な意見のようです。
日本だって大家族でしたよね、資本主義経済が都市と農村を分断し、
「金の卵」の若者たちを都市に移住させ、親から子を遠ざけるまでは。
その分断が核家族化を拡充させると同時に、
小さな箱の中の自由と個人主義的志向性を強めたと私は思っています。
私は、中国でも10年~20年後には都市を中心に
核家族化が進展すると見ています。
そして、中国人もそうした形態を
一概に「冷たい」と断罪できなくなるでしょう。
(保育料無償化で日本の両親が大喜びしているかどうかは、
ニュース記事をチェックしないと分からないので、
中国人老師にはまだ返事をしていません。
今のところ、喜びの声はそんなに聞こえないんですけど)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます