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Brugge Style
簡易Tマシン
脳の中には無数の引き出しがあり、何らかの刺激で固く閉まった引き出しが開くことがある。開いた引き出しからは忘れたと思っていたことやものが出てくる...
という喩話がある。
もう手垢まみれの喩えだから上手いのか下手なのか判定もできない。
脳の中に引き出しがあるのはコンピューターにファイルがあるのと同じようなイメージなのか?
事実、忘れ去ったファイルって結構ある。
時々わたしの脳の引き出しも開くことがある。
今日、引き出しから懐かしいメロディとともに飛び出てきたのは「ドレミファ噴水パレス」だった(笑)。
関西のワタクシと同世代の方ならばコマーシャルをご存知のはずだ。
昔々、須磨駅からロープウェイやリフトやカーレーター(!)を乗り継いで行くと、光と噴水ショーを見せる施設があった。
わたしが初めて行った当時はすでにさびれ初めていたと記憶している。あるいは最初からそんなスタンスだったのかもしれない。そうだとするといい味である。
そのショーには見てはいけない裏の世界を見てしまったような快感があった。
裏街道とはこういうことなのだと思った。世界は完全ではないと悟った。すてきだ。
見てはいけないものであるから、そのまま封印して二度と訪れることもなかったのだが。
こんな子どものころの記憶をたよりにインターネットで検索すると、「ああそういうわけ」とか「ああ、ネタはそれ」とか「そんな曲折が」というような「事情」が出てくる出てくる。
簡易タイムマシンを手に入れたような気がする。
わたしの引き出しが開いたことによって検索したものは、例えば
最も気に入りのおもちゃだったロンパールームの「おてんきみどりちゃん」とか
名前の奇妙さにおどろおどろしいイメージがあった岡本のヘボソ塚についてとか(起源は太古の闇の中に沈んでしまったようだ)
須磨の海沿いにあった、もっともおしゃれなデートスポット、ウエザーリポートはまだあるんかいな?とか(どこを探しても出てこないが...)
すごい機械を手に入れてしまったよ。
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