日本・ベルギー・英国 喫茶モエ営業中
Brugge Style
1人でお茶
マルクト広場近くのティールームを訪れた。
店内は混み合っていて、窓際にひとつだけ空いているテーブルがあった。
これが日本だったら、きれいでおいしいケーキと、おしゃれでかわいい女の子たちと、その笑いさざめく声で店内は花が咲いたようであるのだ。
...ブルージュでは喫茶店は老人のものである。
日本に住んでいた頃は、友だちとしゃべりたおす目的では当然のこと、待ち合わせや時間つぶし、買ったばかりの本を早速読むため、締め切り間近のレポートを仕上げるため、スケジュールを立てるため...などで確実に毎日どこかでお茶をしていた。
「喫茶店に1人で入れない」人がいるということを聞いて驚いたことがあるが、わたしにとっては喫茶店は、場合によっては家よりくつろげる所なのである。
だが、ブルージュの女の子たちは、女の子同士のおしゃべりやケーキ、ましてや読書目的で1人で喫茶店なぞには行かない。若いカップルも同じである。
平日の昼過ぎからお茶を飲んでいるのは老人カップル、あるいは50前後からそれ以上の女性たち、と相場が決まっている。
だからといってわたしは喫茶店ライフを楽しむことはやめられないのだが、自然と1人で行くことはなくなった。
わたしが1人で気兼ねなく入れるのはブラッセル規模以上の、匿名でいられる(ような気がする)都市で、である。
ブラッセルくらいになると、1人で喫茶を楽しんでいるような人も、お茶をしている若めの女性カップルも普通に見かける。喫茶店の客層やタイプは人口密度や繁華度によって決まってくるのだろう。「おひとりさま」というライフスタイルが可能なのは、高度に都市化/情報化された社会においてだけであるのだ。
ひょっとしたら日本でもブルージュ程度の街では女の子同士がおしゃれしてケーキを食べていたり、1人で来店して本を読む人がいることもないのかもしれない。
そういう街の女の子(わたしが女の子を自称するのはあつかましいが)に親近感。N○Kの「みんなのうた」の歌とアニメーションのような親近感。
そんなことを考えながらの午後のお茶であった。
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