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Brugge Style
終着駅
ベルギーからタリスを使ってパリへ向かうと、終着駅はパリ北駅である。
タリス、ユーロスター、TGVなどの国際列車や長距離列車が集結する駅にもかかわらず、北駅にはなにもない。
長距離で旅行をする人々は時間に余裕を持って駅に行くのが常、北駅は待ち合いの人たちでごった返しているにもかかわらず、ましなレストランもカフェも、十分なベンチすらない。
昔から欧米では駅周辺は治安が悪いものと決まっているからか、この先も駅とその周辺が充実した商業施設になる可能性もなさそうである。
そういえば去年、アントワープ中央駅が鳴り物入りで再開発されたが、日本のあの何でも事足りる遊園地のような「駅」には遠く及ばず、といった感じだ。
列車の駅だけがそうなのかと思うと、空港もまたおもしろみのないところが多い。
シャルルドゴールのあの「実現しなかった未来」を表現した通路は興味深いが、ほんとうにここがパリの主要空港?と思うほど何もない。
パリ北駅とドゴール空港を例にとったが、欧州では主要駅も空港も多かれ少なかれこんな具合である。わたしの個人的な統計では、充実度は南下するほど下がる。
例外はロンドンである。昔からヒースローは比較的楽しみの多い空港であったが、第五ターミナル(のオープニング当日はひどい目にあったけど)、商業施設の規模と種類と豊富さは群を抜いているし、ラウンジには、「ここにいるだけで旅行が完結した気分になる」と言っても過言ではないサービスがある。
ユーロスターの新しい終着駅、セント・パンクラスもなかなか時間つぶしに楽しい場所である。
特にここの長~いシャンパンバアがいい。古い駅の構造が美しいので、それを楽しみながら...ああ、それからネットにもつなげるし。
日本の華やかな「駅」を懐かしみながら考えてみた。百貨店あり、名店のテイクアウトあり、駅弁(よだれ)あり、レストランあり。
でも、結局わたしがよし/おもしろし/時間をつぶしても惜しくなしとするのは「買えて、飲めて、食べられるところ」か...なんという俗物。
では欧州の駅には何もない分、旅情を深く味わったり、誰かを恋しく思ったり、人生を考えたりするのにふさわしい場と言うことができるのだろうか...
まさに終着駅。
でも、ぼんやり何もしないで過ごすためのイスくらいは設備して欲しいのだけど(笑)。
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