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Brugge Style
夏パリ miki mialy
今年の夏は春からすばらしい出だしであった。今日も暑い。
先日、東京の友人がパリコレで来ているので会いに行って来た。
彼女がこっちへやってくると、わたしは彼女の色香に誘われて、ふらふらとどこへでも出かけてしまうのである。
早朝のブルージュ/パリ間を走る特急電車(単なるタリスだけど)で夏の平原を渡る。国境を境に気候が変わるというのは本当で、車窓から見える景色は南下するにつれて増々くっきり浮かび上がってくる。
パリは大都市特有の、どこにも逃げ場のない空気でもうもうと熱を上げていた。
ハイヒールに押し込んだ足がむくんでいくのと、直射日光がつらく、ソルドのための試着であっても、コルセットの金具がついたワンピースをいちいち着脱するのがめんどうで、わたし、こんなに体力(気力も)なかったっけ...?と思った。
しかし、暑くとも異臭がしようとも、そこはパリである。
友人の仕事の関係で、マレのはずれの日本人デザイナーmiki mialy氏のアトリエへ伺った。
懐かしき関西弁を操るデザイナーは、冷蔵庫から冷えた桃を出してきて、冷たいうちに食べるよう勧めてくれた。
彼女はイタリアマダムのような筋ばった細い体つきをしておられ、クーラーのない部屋の中で汗も流さず、また、話す様子も、彼女のデザインする洋服も、「かっこええわあ~」...わたしなんかもう息も絶え絶えである。
バザールの香辛料商人の事務所のように、あちこちに様々なものがうずたかく積み重なっているアトリエで冷えた桃。
白く埃っぽい中庭を見下ろす2つの小窓の側の小テーブルの上の桃はセザンヌの絵のようだった。そりゃパリやから.,.(笑)。
その後、ショップへ移動し、曰く「美術館に入れたいくらい特別なデザイン」のシルクのドレスを買った。
パーティーをするときには招待します、とおっしゃったので、このドレスを着ていったら喜んで下さるだろうか(ええ、わたしは社交辞令の通用しない人間です)。
わたしみたいな中年女が着てもめちゃめちゃかっこいいところはぜひ見て頂きたいわあ。
モデルが着用してかっこいいのと、おばちゃんが着てかっこいいのとでは、デザイナーとしてはどちらが冥利と感じるのだろうか。
ラガフェールドだったら、間違いなく前者と言うだろうが。
パリに行くと普段使わない脳の回線が開く。
パリ楽し。パリ熱し。
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