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Brugge Style
ソウルフード
わたしと娘が外食する場合、状況が許す限り和食が最優先になる。
しかし、いつも首尾よく和食にありつけるかというとそうでもない。
例えばよく行く首都ブラッセルの和食屋は、欧米式とかレストラン式とでも言えばいいのか、ランチタイムの営業の後閉店して、ディナータイムにまた開けるところがほとんど(いや全部?)なのである。
用事をいくつか済ましてさあ何か食べよう、ということになった時、すでにランチには遅く、ディナーには早すぎる、ということが大変多い。
先日、繁華街を車で走っているときに、「鉄板焼き」「海鮮」と染め抜かれた海の家風「のぼり」が立っているノンストップキッチンの食べ物屋が目に入った。日本人の目には近頃雨後春筍式に増えた「なんちゃって和食」に違いないのは明らかだが、いざという時のために覚えておこう、と思った。
さて、「いざ」という機会が巡って来たので、入ってみた。
寿司、天ぷら、和牛(<うそ~)ステーキ、ラーメン、カツ丼、餃子、すき焼きという何でもありのメニュー。
わがソウルフードよ。異国で我を慰めん。
「くいだおれ」にはついに行くことがなかったが、おそらくこういった料理がちぐはぐでも好きに食べられる楼閣であったのだろう。
中国人のウエイトレスさんが注文を取ってくれているときも、
「ちょっと、分かってる?わたし、日本人やねんから。当然やけど和食の味にはめっちゃうるさいから。ちゃんとおいしいもん持て来てくれな困るで。」
と、心の中で唱えつつ注文をした。こういう時、わたしは伸子(しんこ)のように反っくり返えったようになる。
娘、ラーメン。
わたくし、カツ丼(あまりの暑さに生ものは敬遠いたしました)。
ごはんが長米だった。ラーメンの方がご機嫌な選択だったようだ。
食べ物屋での出来事をこのように言うのもずいぶんアレだが、わたしから日本の花鳥風月、美味礼讃-Méditations de Gastronomie Transcendante-を子守唄のように聞かされて育った娘のアイデンティティは「日本人」だ。
父親は少々不公平だと思っているようである。
不公平?日本は...
以下自粛。
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