goo

贈り物




うちの大人たちがそわそわし始めた。

秋から冬にかけて、お祭りやお祝いが目白押しだからだ。


この季節、雲が低く垂れ、寒く、暗く、しつこい雨が細く降り続く灰色の世界が、終わりのなきように続く。
雨雨雨雨雨雨雨雨雨(漢字ってすごい)

国家公認のお祭り騒ぎでも企画しないことには、冬を乗り切れない人間が続出するのだろう。


まず11月初頭にサンタクラースが来る
(次週は娘の誕生日)
12月はクリスマス
新年






大人たちは「娘は何を欲しがっているか」を調査し始め、ヒントを求めてくる。

「派手なおもちゃをもらったり、ごちそうやお菓子を山のように食べたりするのは、普段質素な生活をするしかなかった時代にこそ意味があった習慣で、現代ではそんなことをする必要は全くない。敢えて娘に何かを送りたいなら、上等の革靴とか、寄付をするとかにしていただけまいか」

と言うのだが、

「あなたは子どもの楽しみを分かっていない。サンタクラースは子どもの守護聖人でおもちゃしか持ってこないのだ。黒の革靴を贈るサンタクラースなんてサンタクラースじゃない。子どもがどんなにがっかりするか!」

「あなたが靴や洋服を贈れ、というのは一見実用的な考えがあってのようだが、単にあなたが靴や服が好きなだけだ。子どもの楽しみも祖父母の楽しみも潰してはいけない。」

と、言う。


あなたがた、娘のお部屋をご覧になったことがありますか。
あそこはジェラシックパークですよ。しかもヴェロキラプトルに荒らされた後の。
これ以上おもちゃは禁止!....と、今まで何度大人を諭したことか。




結局折り合いをつけて、祖父母からのお誕生日のプレゼントはオランダ週末旅行(エフテリングという、妖精/妖怪が跋扈する、ゲゲゲの鬼太郎タイプのテーマのパークがある)に決まったらしい。

わたしと夫も、モノを贈るのではなく、例えば寝台列車の旅などどうだろうか(我々も楽しめるし)と話し合っている。
昨今では飛行機で旅する方がずいぶん割安で便利なので、寝台列車でどこかへ行くなど考えもしなくなったが、トーマスクックの時刻表を調べながら、すぐ下の妹とユーレイルパスで欧州を旅しまくった20年(以上)前のワクワク感を思い出すと、娘も喜ぶに違いないと想像できるのである。


でもサンタクラースはメンツをかけておもちゃを持ってくるつもりなんだそうだ。日本の聖クラースも。
聖クラースは意外と頑固なのかもしれない。



大人は冬にお祭りをすることで何かを隠蔽しようとしているのだろうか?


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )