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背広の季節。あるいは英国と言えば...背広





昨日夕方、近所のパブでワインを飲んでいた時のこと。

6時頃になり、仕事帰りなのだろう背広姿の男性が三々五々カウンターに集まって来た。

7月中旬だというのに外はさえない天気だ。気温17度。風が強くうすら寒く、雲が増えて夜は雨になりそうな感じである。

特に麗しいとも言えない普通の背広姿の連中を見て思った。

背広はまさにこういう気候の元で生まれたのだ!

夏でも時々ブーツやコートが必要な土地のものなのだ(月曜日は本当に寒く、わたしはブーツ着用でロンドンへ出かけたし、襟元に毛皮のコート着用の婦人も見かけたほどだ)。

夏の朝、寝間着から着替える時間帯にしてすでに暑く、昼間は気温が40度近くまで上がり、日が暮れてもなかなか気温が下がらない亜熱帯の大都会で着るものでは決してない...


ロンドンで背広を「きちんと着ている」男性が多いのは高級品を扱うショッピングストリートの店員さんや百貨店の店員さんだが、グリーンパークの辺りのホテルやレストランで、いいものをお召しなのだろうがキメキメではなく、ものすごく着慣れていて、「背広を着て生まれてきました」という感じの男性を見かけるのは眼福だ。

そしてそれはきっとこの灰色で薄ら寒い気候のたまものに違いないのである。



背広と言えば、先日のヨーロピアンカップで、ある監督のジャケットがテレビ画面越しにも「最高級」であるということが一目瞭然だったのには感心した。他の国の監督のお仕着せのようなジャケットや、よれよれのスーツとは一線を画していて、生地もまた素晴らしく、手袋のように仕立がしなやかで、彼のジャケットが大画面に映し出されるたびに唸ったものである。


...


全然話は変わって。

BBC放送が薔薇戦争を舞台にした歴史ものの撮影にブルージュを使うそうで、それが今から楽しみ。
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