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ブリューゲルの魔女








旧セント・ジョン・ホスピタル(Sint-Janshospitaal)で、
「ブリューゲルの魔女」(De Heksen van Bruegel)展を開催しており、
日曜日の成り行きで見に行った。

これがおもしろくて、小一時間の滞在のつもりが3時間も...

オリジナルや語源を知るのが大好きなわたしを夢中にさせた。


絵画、劇、童話、映画、漫画やアニメ、キャラクターで
わたしたちにもおなじみの魔女の姿:

醜い老婆
大釜の中の液体をボコボコいわせながら魔法の薬を調合している
ほうきに乗って飛ぶ
黒猫
使い魔

などは、魔女裁判も盛んな16世紀のフランダースの画家、
ピーター・ブリューゲル(父)のイマジネーションから生まれ、
彼が作品にして以来、
そのスタイルがどのように模倣され、再生産され、
現代にも影響し続けているかを解いていく内容。


ちなみに魔女のとんがり帽だけは、ブリューゲルのクレジットではなく
18世紀ウィリアム・ホガースのプリント「軽信、迷信、狂信」
の魔女人形が初めである、というのも興味深かった。


入り口でパンフレットとキャンドルを受け取り、
薄暗い屋根裏をキャンドルの光を頼りに展示物を見学するというのも

魔女の衣装をまとって写真を撮ったり
ほうきにまたってフランダース地方の空を飛べるセットも
おもしろいイベントだった。


オランダ語の「魔女」Heksは「垣根」Hekに由来している。
この「垣根」とはあの世とこの世を隔てる象徴としての垣根である。

つまり生死を扱う女性(産婆としてや、調薬、呪術など生死に関わる仕事をしていた)が
「垣根の上の女」、すなわち「魔女」と呼ばれた。

このブログにもだいぶ前に書いたことがあり、
なぜか人気記事のひとつです。
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